世界のシェフが函館に集結 料理学会開幕【函館】
国内外の料理人や食に関する専門家らが集う「第10回世界料理学会 in HAKODATE」(実行委主催)が12日、函館市芸術ホールで開幕した。2021年4月の第9回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、初のオンラインによるリモート方式だったため、会場での開催は3年ぶり。初日は5人の料理人による講演のほか、スピンオフ企画として、カフェ&デリ・マルセン、函館蔦屋書店、函館国際ホテルでトーク&料理イベントが開かれた。
同学会はスペイン・バスク地方サンセバスチャン発祥の世界料理学会を手本とし、2009年から1年半に1回のペースで開催してきた。コロナ感染が続く中、前回同様リモート開催にすることも検討されたが、これまで同時に開いていた食材見本市や交流パーティを中止し、関連イベント「函館西部地区バル街」も取りやめるなど規模を縮小しての実施となった。
初日は実行委代表の深谷宏治さんが「コロナ禍の厳しい状況の中でも未来を見据えて頑張っている料理人の熱い思いを受け止めてほしい」とあいさつした。
道内出身で各種メディアでも活躍する中国料理のシェフ脇屋友詞氏が登壇。「小学生の時、病気がちだった母親のかわりに作ったチャーハンを父親にほめられたのが料理人になりたいと思ったきっかけ。中学卒業後に東京赤坂の中国料理店で修業を始めたが、最初は鍋洗いばかりやらされて何度もやめたいと思った。でも3年が過ぎたころから仕事が楽しくなっていった」と当時を振り返った。
また、来年で料理人生活50周年を迎えるにあたって「未来の食文化の発展ために一番大事なのは人材。若い世代のいいところを見つけてほめてやることで本人をやる気にさせ、一流の料理人を育てることに力を注ぎたい」と語った。
最終日の13日は、同会場で深谷代表ら7人が講演するほか、「気候変動と漁獲量の関係」をテーマにしたトークセッションを予定している。当日チケットは2000円。
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