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函館新聞

高齢者どう守る 課題洗い出し 北浜町会が防災・避難訓練【函館】

車いす利用者を屋上へ運んだ垂直避難の訓練

 北浜町会(岡部禮子会長)は10日、地域内で防災・避難訓練をした。同町会などが立ち上げた自主防災組織「タラレバ会」が訓練の運営や避難する地域住民の誘導役を担い、ルートや所要時間を確認。いざという時に逃げ遅れる人を出さないため、課題を洗い出していった。

 タラレバ会(代表・菅原峻菅原組常務)は、2020年に同町会と周辺の企業などが地域の課題を解決しようと立ち上げた組織。21年には独自の津波避難マップを作成。今回がマップを活用した初めての訓練で、地域住民約90人と同会メンバー20人が参加した。

 同町会を構成する北浜町、吉川町、浅野町の住民がそれぞれ決まったルートで避難を開始。最終的な避難場所の万年橋小学校を目指した。同会のメンバーが車いす利用者や高齢者に付き添い誘導した。車いすを使う吉川町の吉泉昭夫さん(77)は「学校まで段差が多かったのが気になった。本当に避難する時はきょうの訓練を思い出したい」と感想を話した。

 同校の体育館では発電機を動かしたり、備蓄食料を確認した。津波を想定し、垂直避難として屋上まで逃げる訓練もあり、車いすを4人がかりで持ち上げた。

 菅原代表(38)と同町会の酒井道子総務部長(66)は「訓練を通して多くの課題が見つかった。高齢者や住民をいかに守るか、どう避難してもらうか訓練を重ねていくしかない」と語った。

 同会は訓練を踏まえ、今年度中に津波避難マップを更新する計画。また、25日に市地域交流まちづくりセンターで開かれる「はこだて防災マルシェ」で取り組みを発表するという。

 訓練に協力した市災害対策課は「北浜町会のバックアップを続けていきたい。同様の取り組みがほかの町会に広がっていくことを期待している」とした。

発電機の使い方を学ぶ訓練の参加者

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