8月のスルメイカ取扱量73トン 過去2番目の少なさ【函館】
函館市農林水産部がまとめた市水産物地方卸売市場での8月の生鮮スルメイカ取扱量は、前年比31・8%(34トン)減の73トンとなった。統計の残る2005年以降では、8月単月で20年の68トンに次ぐ過去2番目の少なさ。一方、1キロあたりの平均単価は薄漁を反映し、1115円と2年ぶりに1000円台に乗せた。
同部によると、8月の取扱量が100トンを割り込んだのは19年の96トン、20年の68トンに続き3回目。今年8月の内訳は上旬20トン、中旬32トン、下旬21トン。単価が1000円を超すのは20年の1006円以来で、取扱金額は同6・4%増の8160万円。出漁日数は昨年より3日多い26日だった。
今季の漁期(6~8月)の合計では、取扱量225トン(同8・6%減)で過去3番目に少なく、金額は2億508万円(同13・7%増)、単価は913円(同24・6%高)で過去2番目に高かった。
8月の漁獲について、同部は「19年以降、低水準が続いており、今年も変わらない。魚体サイズは7月に比べ大きくなり、秋イカの漁獲に期待したい」とする。
道総研函館水試の三原栄次主任主査は「8月の水揚げが少なかった原因は、7月をピークに来遊していた日本海からの秋生まれ群が8月に入って来遊が減少したと考えられる」と指摘した上で「9月以降は、太平洋から冬生まれ群が道南に来遊するが、分布量は多くないことから、一時的な来遊増加の可能性はあるが、漁期を通じ近年並みの漁況になるのではないか」と話している。
函館市中島廉売内の紺地鮮魚の紺地慶一社長(60)は「9月に入り量がだんだん少なくなっており、希望の数量を仕入れられない。サイズは胴長23センチほどと大きくなったが、雌が多いので身が薄く甘みが落ちる。秋イカがたくさん捕れてほしい」としている。
同水試が8月中~下旬に実施した道南太平洋の調査では、スルメイカの分布密度は昨年と過去5年(17~21年)平均を上回ったが、10年以降の低い水準の範囲内。サイズは過去5年平均に比べ小さかったとしている。
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