未受診者に送られる勧奨はがき。ＡＩの分析により、５タイプの内容が送られる。

　国民健康保険に加入する４０～７４歳の函館市民を対象とした「特定健康診査」（特定健診）の２０２１年度の受診率（速報値）が前年比０・４ポイント増の２９・８％となり、３年ぶりに増加に転じた。市国保年金課は人口知能（ＡＩ）を活用した受診勧奨はがきを取り入れるなど、受診率向上に力を入れており、効果が表れた形だ。

　特定健診は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病予防を目的に実施。血液検査や尿検査、血圧測定などを行う。健診は市医師会健診センター（田家町５）のほか、同市内１０３カ所の医療機関でも受けられる。

　受診率は１８年度に過去最高の３１・５％となったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で１９年度が２９・６％、２０年度が２９・４％と２年連続で減少した。

　同課はコロナ禍で減少した受診率の向上を目指し、未受診者に送付していた受診勧奨はがきの内容を昨年度から一新。ＡＩを活用し特定健康診査データなどを分析することで、未受診者を「頑張り屋」「心配性」など５タイプに分類。それぞれの適性に合わせた受診を促す文章を掲載したはがきを送付した。今年度も９月末からタイプ別の勧奨はがきの発送を開始する。

　このほか、早期受診を促す「早トクキャンペーン」として、特定健診を受けた人の中から抽選でクオカード１０００円分のプレゼントや、市が配信している「はこだて健幸アプリ・ハコビット」登録者に特定健診を受診するとポイントを配布するなどのキャンペーンを実施する。

　同課は「コロナ感染を心配して受診を控えている人もいると思うが、健診で自分の体の状況を把握し成人病を防止することが、コロナの重症化を防ぐことにつながる。積極的に受診してほしい」と呼び掛けている。