アライグマ被害深刻「家庭菜園、対策徹底を」 捕獲急増100頭超【室蘭】
全道的にアライグマの増加や農業被害が深刻さを増している。大きな農業地のない室蘭市でも近年、捕獲頭数が増えている。本年度も過去最多を更新するほどのペースで捕獲され、市は「多くの被害は家庭菜園の作物など。管理や対策の徹底を」と注意を呼びかけている。
2022年度は8月末現在、捕獲頭数が104頭となり、早くも過去最多だった20年度(107頭)に迫る勢いだ。地域別では、石川町が最も多く38頭、次いで香川町の29頭。小橋内町や本輪西町、天神町などでも捕獲されている。
近年の捕獲状況は、14年度までは1桁台で推移。15年度は急増し29頭。その後も増加傾向が続いた。17年度41頭、18年度52頭、19年度53頭、20年度は初めて100頭を超え107頭、21年度は63頭だった。
アライグマの捕獲には、餌を置いた箱わなが効果的とされている。しかし、わなを設置するには、自治体などが開く講習会を受講する必要がある。市によると、市委託業者は箱わなを約80個所有する。市民からの箱わなに関する問い合わせは8月末までに約50件ほどあったという。
道は、アライグマの活動が活発となる3~6月を「春期捕獲推進期間」と設定し、対策強化を奨励。市は被害者などからの連絡を受け、委託業者と連携しながらわなを設置している。
市地域生活課の担当者は増加の主な要因について、「繁殖力が強く、1回の出産で3~6頭産むため、全道的にも生息数が増加している」と指摘。対策として「家庭菜園への防護ネットの設置や物置への侵入ルートを遮断」などを呼びかけている。
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