懐かしい作品に見入る【浦河】
浦河町教委主催の町芸術鑑賞事業「宮竹眞澄・創作人形展 2022・浦河展」が3日から総合文化会館で始まり、開場から間もなく40人以上が訪れて、昔懐かしい作品にじっくりと見入っていた。同展は4日まで行われる。入場無料。
人形作家の宮竹眞澄さんは大分県宇佐市出身。28歳の時に専業主婦の傍ら、独学で人形を作り始めた。1991年に一家6人で上川管内東川町に移住。「明るく、たくましく生きる市井の人々」をテーマに、布を使わず粘土と水彩だけで表情豊かな人形を作り、多彩な表現で感動の世界に誘う。2016年まで11回連続で道展入選、16年~19年まで道展会友。08年から夫婦で始めた「全国巡回展(心のふる里人形展)」は、北海道から九州まで46市町村で116回の開催(21年末まで)を重ねている。日高管内初開催。
浦河展では創作人形約50点を展示。宮竹さんが今年1月から4月にかけて制作したと話す「馬橇」(2022年)は、馬だけでも1カ月以上かかった力作。ほか、昆布を干す漁業者の姿を表した「浜の風景Ⅰ」(2012年)「浜の風景Ⅱ」(同)、朝から作業の手伝いに出掛け夕方にリヤカーを引いて帰る風景を表現した「春夕焼け」(2022年)など。来場者たちは、展示作品を眺めながら苦難の時代を振り返り、涙を浮かべる人の姿もあった。
姉弟で訪れた絵笛の大下美千代さん(86)と野深の村下秀明さん(85)は「私たちが生きてきた時代にぴったり重なる」「自分の育った頃を思い出した。今日は見に来ることができて良かった」と話していた。
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