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釧路新聞

厚岸大橋50周年記念し座談会【厚岸】

 【厚岸】厚岸大橋開通50周年記念座談会が3日、町役場で行われ、開通前のフェリーや渡船から大橋開通までを知るゆかりの人たちが、往時を振り返り町の将来に思いをはせた。

 厚岸大橋(延長456・5㍍)は1972年9月開通。赤く塗られた道内初の海上橋は、湖南と湖北地区を結ぶ交通の要で、町のシンボルとして多くの人に親しまれている。

 町とNHK釧路放送局、釧路新聞社の主催。会場では、当時の写真パネルや新聞紙面が並ぶ中、NHK所蔵のフェリーや大橋工事などを記録した映像を上映。来場者は、当時の様子を懐かしんだり興味深そうに見入った。

 座談会は、若狭靖町長(80)と元厚岸漁協の中嶋弘美さん(85)、湖南地区で書店を営む家に嫁いだ田畑縁(ゆかり)さん(87)が登壇した。若狭町長は開通前年に道議初当選。大橋建設は多くの陳情や要望が行われた地域の悲願で、故中川一郎衆院議員の秘書時代、着工予算が年内に決まらず年明けの真夜中に内示が出たことなどを振り返った。

 田畑さんは若い頃、渡船で釧路まで習い事に通ったり新婚旅行はフェリーでテープを渡し出発したエピソードを披露。「当時は橋ができるのは夢のまた夢だった」と話した。中嶋さんは、大橋が開通し「うれしかった。生産物も自由に運べて生産者が車の免許を取り、市場に届けられるようになった」と物流の発展を実感した。

 今後の厚岸町について、若狭町長は「厚岸大橋があったからこそ素晴らしい町になった。厚岸に住んで、生まれてよかったと未来像を持った町にしたい」と述べた。

厚岸大橋とフェリー、渡船の思い出を振り返る田畑さんと若狭町長、中嶋さん(左から)

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