秋サケ漁 水揚げわずか250キロ 前年比半減 のスタートにため息 苫漁協
苫小牧漁業協同組合(伊藤信孝組合長)の秋サケ定置網漁は2日、苫小牧港・西港漁港区で初水揚げされた。漁船3隻の出漁で水揚げ量は251・9キロにとどまり、歴史的不漁だった前年の初日と比べてほぼ半減。1キロ当たり卸値は雌が1634円、雄が778円など高値で取引された。
胆振海区(室蘭・地球岬―むかわ)の秋サケ定置網漁は、操業期間が9月1日から12月3日まで。同漁協は苫小牧沿岸の西側海域に定置網5カ統の権利があり、例年通り解禁初日の1日に網を入れ、2日に水揚げを始めた。
漁港区では午前4時30分の荷揚げ開始に前後して、漁船3隻が相次いで帰港した。例年であれば船底のタンクから、網いっぱいにサケを入れてクレーンで運ぶが、今年はサケは数えるほどしかなかったため、手作業で籠に入れて荷揚げした。
一方、海水温の高さを物語るように、フクラギやサバなどが網に入った。午前0時から同4時ごろまで出漁した鮭漁丸の船長、川口俊二さん(66)は「全然、駄目」と肩を落としつつ「今後に期待したい」と強調した。
道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場(恵庭市)による胆振海区秋サケ来遊予測数は今季、前年比85・8%増の37万7000匹。同試験場は「昨年は来遊がこれまでになく低下した中での予測。何年か増え続けないと、回復したとは言えない」と話す。
苫小牧漁協の秋サケ定置網漁は昨年、漁獲量が1997年以降で最少の149トンとなり、初日の水揚げは漁船3隻で約490キロだった。
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