釧路、根室管内における８月の新型コロナウイルス陽性者数は、両管内合わせて8893人と過去最多だった今年５月の3801人を２倍以上更新した。１日の陽性者数も釧路管内は300人、根室管内は100人を超えた日があり、コロナの収束はいまだに不透明な状況が続いている。

　釧路管内における８月の陽性者数は６８８９人で、７月に比べると４３８４人増加。１日の陽性者数が最も多かったのは２４日の３０５人で過去最多を記録したほか、３００人台は２日間、２００人台は２０日間にも及んだ。根室管内は２００４人で、前月比１１０５人増加。１日の陽性者数が最も多かったのは２１日の１２７人で過去最多となった。

　道が公表している市町村別１週間累計報（７月３１日～８月２７日）によると、釧路管内は釧路市４６３４人、釧路町５９９人、標茶町２３３人、弟子屈町２１２人、厚岸町１９９人、白糠町１７３人、浜中町９０人、鶴居村５２人で、クラスター（感染者集団）は医療機関や高齢者施設など２３件発生した。

　根室管内は中標津町７２７人、根室市４６５人、別海町４５７人、標津町１４６人、羅臼町８１人で、クラスターは１件のみ。

　感染の急拡大について、釧路保健所の高垣正計所長は「夏休みやお盆などで人流が大きく増加したことに加え、オミクロン株のＢＡ・５に置き換わっていることが考えられる」と指摘。特に、ＢＡ・５については「人と関わる機会の少ない在宅の高齢者なども罹（り）患（かん）しており、感染力の高さが浮き彫りになった。いつ、誰が感染してもおかしくない」と警鐘を鳴らす。

　コロナの拡大から２年以上が経過し、国はウィズコロナに向けたかじ取りを行っているが、いまだに収束の兆しは見えない。高垣所長は「いったんピークは過ぎたと思うが、しばらくは感染者が多い状況が続くと思われる。重症化を防ぐためにもまずはワクチンの接種を検討し、医薬品や食料品を家庭に備えてほしい」と話している。