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函館新聞

シネマアイリスにサントリー地域文化賞「市民の協力に感謝」【函館】

佐藤泰志原作映画のポスターを手に、サントリー地域文化賞の受賞を喜ぶ菅原代表(中央)

 公益財団法人サントリー文化財団(大阪)は30日、函館市のミニシアター「市民映画館シネマアイリス」(菅原和博代表)を、第44回「サントリー地域文化賞」に選んだと発表した。函館市役所で受賞会見が行われ、菅原代表(66)は「市民のみなさまの協力のおかげで映画館運営と映画作りを続けてきたことが評価された。これを励みに今後も活動にまい進していきたい」と喜んだ。

 同賞は同財団(鳥井信吾理事長)が1979年に制定。地域文化の発展に貢献した団体・個人を毎年全国から5件を選び顕彰している。今年受賞したのはシネマアイリスのほか、香川県丸亀市の「丸亀市猪熊源一郎現代美術館」など。函館市からの選出は2019年の「函館西部地区バル街」以来5件目。

 シネマアイリスは、市民からの寄付により1996年に開館し、現在も市民ボランティアに支えられながら映画上映を行っている。また2010年には函館出身の作家、佐藤泰志(1949~90年)原作の映画「海炭市叙景」を制作。以後、オール函館ロケで佐藤原作映画を計5作品完成させている。

 会見で同財団の柴田昌子さんが受賞に至った経緯を紹介。「地方のミニシアター閉館が相次ぐ中、シネマアイリスは市民とともに映画の企画・制作を行うことで独自の道を切り開いてきた。佐藤泰志原作の映画はいずれも国内外で高い評価を得て、これまで絶版になっていた小説も復刊されるなど、映画によってよみがえった稀有な例。市民の手によって地方文化を盛り上げた功績が高く評価された」と話した。またサントリー北海道営業部の石津慎一郎企画部長は「函館からはこれまでもバル街や野外劇が同賞に選ばれていて、地域住民の文化への関わりの深さがうかがえる」と述べた。

 菅原代表は「コロナ禍で厳しい活動状況が続く中、今回の受賞は大変うれしい。2008年にボランティアスタッフから薦められ佐藤作品と出会った時は、一本でも映画化できればいいと思っていたが、多くのみなさんの協力のおかげで5作品も制作することができた。次回作についても構想中なので、今回の受賞が大きな後押しになる。今後も佐藤作品の映画化をライフワークとして前進し続けたい」と意欲を見せていた。

 贈呈式は10月14日に大阪で開催。受賞団体には正賞として楯(たて)が、副賞として300万円が贈呈される。

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