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日高報知新聞

最優秀賞に松澤隆英さん【日高】

【日高】第66回北海道高等学校定時制通信制生徒生活体験発表会日勝地区予選会が26日、松風町1丁目の日高町民センター集会室で開かれた。

 北海道高等学校定時制通信制文化連盟日勝支部(須藤克志支部長)主催、日高高校(大木康弘校長)が当番校。働きながら学ぶ生徒が感じ学んだ貴重な体験や、学校生活における具体的体験を発表し、多くの人々に感動と励ましを与えることを目的に毎年開かれている。

 今年は、日高、帯広柏葉(十勝)の2校から各5人ずつ計10人が出場した。

 7分以内で高校生としての見識、論旨、共感性など6項目、発表態度など3項目の各10点で、審査員長を含む5人の審査員が採点した。

 発表者は、経済的負担、中学校時に不登校など、さまざまな理由で現在の定時制高校へ進んだ経緯を話し、くじけそうになる自分の気持ちや新たな環境での友達や教師らとの出会いなど、それぞれ今を懸命に生き、夢へ向かう気持ちの芽生えや身の回りの出来事を飾らずに発表した。

 最優秀賞に選ばれた日高高校3年の松澤隆英さんは、「ニンゲンカンケイ」と題し、小中学校時代のことや背中を押してくれる親のことを考えた時に後ろめたさを感じ、自分をリセットするために日高高校へ進学したこと、友達との関わりから自分の性格や至らなさに気づかせてもらえたことを感動的に発表した。

 小学校の時、病気がちでバイキン扱いされ、5年生の時にインフルエンザにかかって休んだのをきっかけに中学校半ばまで不登校を続けた。高校進学を考えた時、知らない人しかいない土地で自分を「リセット」したかった。入学して「写真」、「自然」いろいろなイベントがあり楽しい日々を送っていたが、人と関わってこなかった人間が他の人との関わりが近い距離の寮生活でクラスメートと言い合いになった。正義感が強すぎてルールから外れると注意が多くなり、学校でも孤立してしまった。父親に電話すると「学校に行っているだけでもすごく成長した。辛くなったら帰っておいで」と言われ涙がこぼれた。半年後、自分から「一緒に帰ろう」とクラスメートを誘うとOKを出してくれた。帰り道話し合ってみると、すれ違いが起きていることがわかり「伝え方」の問題だった。そのこと以来相手の「良い所」を見つけられるようになった。この経験があったからこそ自分は変わることができたし、日高高校生活は「かけがえのない宝物」となった―と発表し、自分の至らなさを正直にそして未来へ向かおうとしている気持ちを爽やかに語った。

 講評で、日高教育局の鈴木毅教育支援課長は「自分の体験を振り返り、そこに意味を見出すこと、ここに至るまでの努力は10人皆に評価されるもの。自分の言葉で発表し、自分の弱さと向き合って努力しようとしている。青春は密だと言った人がいるが、黙っていては密にはならない。密だと言える高校生活を送ってほしい」とエールを送った。

 松澤さんは、10月18日に札幌市教育文化会館で開かれる全道大会に出場する。  入賞者と演題は次の通り。

 ▽松澤隆英(日高3年)「ニンゲンカンケイ」

 ▽優秀賞 矢田眞白(日高3年)「良くも悪くも青い春」、角田航一朗(同)「マイナスをプラスに」、阿部龍哉(帯広柏葉2年)「変われた自分」

 ▽努力賞 小西恭平(帯広柏葉3年)「1年の成果」、米沢愛羽(日高1年)「自分で選んだ道だから」、柴尾駿空(日高3年)「空色風船」、小濱安奈(帯広柏葉2年)「経験」

最優秀に選ばれた松澤さんの発表

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