歯舞漁港待望の新施設 衛生管理型、完成祝う【根室】
【根室】釧路開発建設部と歯舞漁協が整備を進めていた高度衛生管理型施設が完成し、30日には来賓ら約120人を招いた供用開始記念式典を行った。新たな施設は人工地盤と一体となり、衛生的な荷さばきや車両の効率的な導線の確保、防災・減災機能を有している。小倉啓一組合長は「気持ちを新たに今まで以上の努力を重ね、業務に精励したい」と式辞を述べた。
新施設は、同漁協が事業主体となった水産業強化支援事業(事業費27億8000万円)を活用した、鉄骨鉄筋コンクリート構造の4階建て施設(延べ床面積7075平方㍍)と、釧路開建が事業主体となった直轄特定漁港漁場整備事業(事業費52億6000万円)の人工地盤(同4872平方㍍)関連施設からなる。
建物は、水産物荷さばき施設(2624平方㍍)や組合事務所(1754平方㍍)、防災施設(1134平方㍍)などで構成され、競りや荷揚げ風景を見学できるスペース、購買店舗などを備え、4階には防災一時待機室があるほか、屋上部分は津波高15・7㍍をやり過ごすことができる緊急一時避難所として機能する。
157台の駐車スペースを兼ねた人工地盤は、屋根付き岸壁として活用でき、さらに道道根室半島線との連絡で避難路としても機能する。全施設の完成までは約4年の工期を要した。
小倉組合長は「安全安心な水産物の生産流通拠点、地域の防災・交流拠点として、歯舞地域の発展につなげたい」と、新施設活用への決意を述べた。
伊東良孝衆院議員、鈴木宗男参院議員、鈴木貴子衆院議員(代理)、水産庁の田中郁也漁港漁場整備部長、石垣雅敏市長(代理)が新施設の完成に祝意を示していた。
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