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函館新聞

開陽丸の潜水調査始まる 10年ぶりに江差【江差】

防波堤から潜水作業に入る木村准教授(左端)

 【江差】町教委は1日、江差港内に沈む旧幕府軍の軍艦「開陽丸」の潜水調査を開始した。2012年の調査以来、10年ぶりで、初日の潜水では以前調査時に使用したとみられる基準杭などが確認された。調査は5日まで。

 調査は、水深約7メートルで銅網をかけて海底保存している船体の状態や、銅網による保存効果の確認などを目的に、東海大学海洋学部の木村淳准教授の協力を得て行う。

 木村准教授ほか2人が沈没現場付近の海中に調査に入り、水圧ポンプを使用して海底の堆積物の除去作業にあたった。作業の様子は水中カメラで動画撮影し、作業後に役場で映像を確認した。

 映像には、以前の調査に使用したとみられる基準杭やガイドロープなどが記録されていた。また木村准教授によると、船体付近の海底形状はすり鉢状にくぼんでおり、10年以上前の作業時に掘り下げた形で泥などが40~50センチ堆積しているとみられるとした。

 2日以降は堆積物の除去作業の継続と、木製の船体に損傷を与える微生物などが活動しにくい環境であるかを調べる溶存酸素濃度測定装置の設置を予定。木村准教授は「理想的な保存環境をどのように作り出すか、日数は限られるが最大限取り組んでいく」と力を込めた。

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