津波被害想定に対する考えを述べる蝦名市長

　蝦名大也釧路市長は２日の定例記者会見で、タイ政府が実施する国外ボランティア派遣事業「ＦｒｉｅｎｄｓＦｒｏｍＴｈａｉｌａｎｄ（ＦＦＴ：フレンズフロムタイランド）」で、釧路市が受け入れ地に選定されたと発表した。同事業における日本への派遣は初の試みで、主に観光分野で地域振興に関する活動を行う。ＦＦＴとは、タイ王国外務省国際協力局（ＴＩＣＡ）が２００３年から行っている、日本のＪＩＣＡ（国際協力機構）海外協力隊に類するボランティア派遣事業。これまでにタイからアジアやアフリカ各国へ１６０人以上の人材を派遣している。

　今回、タイと日本の新たな国際協力の形として、タイ政府が初めて日本へのボランティア派遣を企画。ＪＩＣＡを通じて、釧路市と熊本県球磨郡に観光分野でボランティア受け入れの打診があった。

　期間は９～１１月の３カ月間で、活動場所は阿寒湖温泉地区を予定。タイに向けて釧路地域の魅力発信を行うほか、タイと釧路の交流人口増加を目的とした旅行商品開発などを行う。蝦名市長は「３カ月という短い期間ではあるが、今回の受け入れをきっかけに継続的な交流を生み出したい」と語った。

　このほか、道が公表した千島海溝沖地震における津波の被害想定について「数字が大きく衝撃的ではあったが、しっかりと対応することで抑えることができる」と説明。「まずは大楽毛や星が浦など避難困難地域を早急に解消することを第１に、避難に対するさまざまな対応を進めていく」と語った。