AIスーツケースが道案内 新千歳で実証実験 視覚障害者を誘導
日本科学未来館(東京、浅川智恵子館長)は29日、視覚障害者を目的地まで自動誘導するナビゲーションロボット「AIスーツケース」の実証実験を新千歳空港で行った。国内の空港では初めての取り組みで、全盲の浅川館長によるデモンストレーションと道内の視覚障害者3人の体験を通し、実用化に向けた課題を洗い出した。
AI(人工知能)スーツケースは米国IT業IBMの技術者最高職、IBMフェローでもある浅川館長が考案。海外出張も多い浅川館長が2017年ごろから、「スーツケースが自動で道案内してくれたら」と、客員教授を務めていたカーネギーメロン大で研究。19年から日本IBM、オムロンなど5社(現在4社)によるコンソーシアム(共同事業体)で開発し、21年から未来館も開発や実験を進めている。
同ロボットは、視覚障害者が自然にまちの中に溶け込んで歩けるよう、機内持ち込みサイズのスーツケース型にし、重さ15キロほどで障害者を自走誘導する。搭載されたセンサーで周りの障害物を把握し、ハンドルの振動で危険や進行方向を伝える。位置情報システムで目的地などのルート設定、周辺施設の確認などを可能にし、スピーカーでお店紹介などの音声案内もしてくれる。
この日は国内線ターミナルビル2階で実証実験。浅川館長自らデモンストレーションを行い、目的地を土産店に設定して往復約300メートルを歩いた。利用客や報道関係者らでごった返し、ロボットが危険を察知してたびたび止まる場面も。目的地前ではロボットがしっかりと方向転換して知らせたが、思ったような速度ではなかなか歩けず約15分かかった。
道内の視覚障害者3人がロボットを手に、センタープラザ周辺の土産物店を巡る実証実験を展開。浅川館長は「原点ともいえる空港でユーザーを招いて実験できた」と喜びつつ「社会実装には高度な技術が必要」と説明。「ロボットを止めないでスムーズに動かし続けることは大きなチャレンジ。きょうのデータは現場でなければ得られない。シミュレーションして改善したい」と話していた。
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