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苫小牧民報

ケアラー支援先進地に学ぶ 栗山町の森さんが講演 白老

白老町認知症の人と家族などの会は13日、全国の自治体で初めてケアラー支援条例を施行した空知管内栗山町から町福祉総括兼福祉課長、森英幸さんを講師に招き、学習会を白老町総合保健福祉センターで開いた。町民37人が、全国に先駆けて社会全体での介護に取り組む先進地の事例に耳を傾けた。

ケアラー支援条例の意義などについて語った栗山町の森さん

 ケアラーは、身心に不調があり、介護、看病、療育、世話などが必要な家族や近親者に、無償でケアをする人。学習会では森さんが「ケアラー支援条例の重要性と実際~栗山町ケアラー支援条例制定について」の演題で講演した。

 森さんは、今後も高齢化社会が続くことと、介護保険制度で受けられる高齢者向けサービスについて解説した上で、「介護に携わる家族など、ケアラーに対する支援は不十分だった」と指摘。栗山町では2010年から、ケアラー同士の交流の場を設けたり、ケアラーの悩みや相談に応じる支援専門員を配置したりするなど、独自のケアラー支援策を展開したことを紹介した。21年4月のケアラー支援条例の施行は活動の集大成とし、「ケアラーを社会全体で支え、誰もが安心して介護や看護ができる地域づくりを目指し、町の責務や町民、事業者、関係機関の役割をそれぞれ明記した」と条例の意義を強調した。

 ケアラーの存在を知ってもらうための啓発活動や学習会、人材育成、支援専門員、地域サロンなどの設置など具体的な活動についても説明。中国・三国時代の蜀皇帝、劉備玄徳の言葉「大事を済(な)すには必ず人をもって本(もと)となす」を引用し、「何をするにも人と人のつながりが大切。みんなでケアラー支援の輪を広げていきましょう」と地域住民の理解と協力で支援の仕組みをつくる必要性を訴えた。

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