青函圏のマイクロツーリズム考える 財務事務所シンポ【函館】
青函の財務事務所が連携し、相互の持続的な発展を図る「第2回青函みらい会議」が3日、オンラインで開かれた。青函のパネリストがマイクロツーリズム(近隣観光)需要の喚起を念頭に地域の魅力アップに向け意見を交わした。
函館、青森財務事務所の共催。新型コロナウイルスの影響でインバウンド(外国人訪日客)需要回復には時間を要することから、青函圏でのマイクロツーリズム促進を目指し、その方策を探るのが狙い。会議は約50人が視聴した。
道教育大函館校准教授の奥平理氏が基調講演。青函地域はフェリーや鉄道といった交通網が充実し、世界遺産を有する自然、文化があることに触れ「観光に有望な資源があり、マイクロツーリズムの展開に有利な条件がそろっている」と評価した。
函館、青森、弘前、八戸の4都市を合わせた青函圏の観光入り込み客数は2016年の実績で2299万人で「圏内での連携・周遊で大きな経済効果を生み出す可能性がある」と強調。課題として地域の活性化を担う人財の育成を挙げ「コロナで観光産業や地域おこしなどあらゆる活動が実質停止状態だが、新たな人財や多様な人財を蓄える時期」とし、大学生や高校生への積極的な働きかけで地域活動停滞の解消を図ることを提言した。
シンポジウムでは青函のパネリストが意見交換。忍者、イルカといった新たな地域の魅力を生かし活動を進める青森大社会学部教授の清川繁人氏は「青函は縄文時代からつながりがある。どこにスポットを当て魅力を高めていくかともに議論していく必要がある」とし、縄文DOHNANプロジェクト代表の山田かおり氏は「縄文遺跡群の世界遺産登録を機に両地域で関心が高まっている。文化・歴史を掛け合わせ、さらに魅力を創造していくべき」と語った。
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