平和の鐘 市民文化ホールに 要望団体「思い共有するシンボル」 苫小牧市
苫小牧市は今年度、非核平和都市条例施行20周年を記念し、2026年に開設予定の市民文化ホール(仮称)に平和のシンボルとなる鐘を設置することを決めた。28日、設置を要望してきた市民団体に対し、岩倉博文市長が明らかにした。具体的な検討は7月以降、進める考えだ。
鐘の設置運動を進めてきたのは、「命と平和の鐘設立を願う苫小牧市民の会」(出雲路英淳、森山弘毅共同代表)。平和運動に取り組む市民団体「ぴーすぷろじぇくと苫小牧」の呼び掛けで昨年4月に発足した。個人、団体から署名や設置資金に充てる寄付金を集めを続け、昨年11月、市に設置を求める要望書を提出した。
同日、森山共同代表ら4人が市役所を訪れ、6150筆の署名と112万504円の募金を市に提出。改めて設置を求めた。岩倉市長は同条例施行20周年記念事業の一環で、市としても平和の鐘設置を計画していると説明。市内外から多くの人が集まる市民文化ホールに置く考えを示した。
デザインや規模など具体的な検討を進める検討委員会の設置へ、6月の定例市議会に補正予算案を提出する方針も明らかにした。議会の承認を得られれば、市職員や鐘の設置運動に取り組んできた市民団体のメンバーから成る検討委を立ち上げ、7月ごろから検討作業に入りたい考えだ。
岩倉市長は「同条例施行20周年やウクライナ情勢などにより、今年度は平和の尊さをより感じる一年。この年に設置を決断した鐘が次世代まで残り、一人でも多くの人に触れてもらえれば」と述べた。
森山共同代表は「市民の声を受け止めてもらえ感謝の気持ちでいっぱい。道内で唯一の条例を誇りに感じる人が、思いを共有するシンボルとなるのでは」と期待を込めた。
同会の要望活動はこれで終了するが、より多くの思いが詰まった鐘になるよう、募金活動は継続する考え。出雲路共同代表は「市民がみんなで作ったんだという実感を持てるよう、引き続き広く協力を呼び掛けたい」と話している。
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