浦河町スケート選手後援会（塩出諭会長）主催の「小田卓朗選手、ウイリアムソン師円選手感謝の会」が９日、町総合文化会館などで開かれ、先日引退を表明した町出身で男子スピードスケート日本代表として五輪に出場した両選手と町内スケート少年団員、応援する関係者が２人の活躍をたたえるとともに交流した。

　感謝の会は午前は町内スケート少年団を対象に総合文化会館で開かれ、約40人の少年団員と関係者が参加。最初に昨年暮れに行われた五輪日本代表選考会のレース模様を映像で振り返り、両選手が入場。

　開会で塩出会長は「２人は精一杯頑張った。これから始まる第２の人生はみんなが喜べて、励ましてもらえるよう頑張ってほしい。長い間ご苦労様でした」とあいさつし、来賓あいさつでは浅野浩嗣町教育長が「子どもたちに夢と希望を与えてくれた。町出身でも世界に感動を与えられることを証明してくれた。次の目標に向かって頑張ってほしい」と激励した。

　続いて堺町スケート少年団の扇谷心望さん（えりも中１年）と野深スケート少年団の菊池優花さん（荻伏中２年）が両選手へ感謝を込めて花束を贈呈した後、小田選手は「長い間スケートに打ち込み全力でやってきた。浦河が変わらぬ支援をしてくれたおかげで良い形で引退を迎えることができた」と感謝を述べ、少年団員たちへ「『浦河でもできないことはないんだ』。スケールや視野を大きく持ち世界の選手たちの滑り方を見て一歩一歩成長してほしい」とエールを送り、ウイリアムソン選手は「（中学までの）９年間の浦河でのスケートは楽しかった思い出しかない。自分は町民大会で表彰台に立てないことも多かった。でも応援してくれた人がたくさんいたから五輪出場を果たす選手にまでなれた。皆さんも楽しむ気持ちを忘れないで」と呼び掛けた。

　町内スケート少年団を代表して東部スケート少年団の酒井夏羽さん（浦河第二中１年）は「今までお疲れ様でした。２人から滑り方、強い気持ちを学べた。世界で戦う勇気をもらいました」と感謝を発表した。

　このあと、「レース中のつらい場面では何を考えながら滑っているのか」「大会前のトレーニングの仕方」「コンディションの作り方」などの質問に対し、両選手が答え、また少年団員へ質問返しをする場面も。少年団員たちは世界を戦った一流選手の貴重なアドバイスに耳を傾けた。

　午後は、後援会など大人を対象にホテル浦河インで開かれ、両選手の恩師である前山形中央高スピードスケート部の椿央監督（現スピードスケートエリートアカデミーヘッドコーチ）や北海道スケート連盟の新保實専務理事、１９９４年のリレハンメル五輪で男子スピードスケート５００㍍で、銅メダルを獲得した堀井学衆議も掛け付け、池田拓町長ら約40人の関係者が両選手をたたえた。

感謝の会終了後、参加者全員で記念撮影＝少年団対象＝