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函館新聞

函館市のパートナーシップ制度、第1号カップルが宣誓「選択肢の一つに」【函館】

受領証を手に喜びを語るカップル

 同性カップルを公的に承認する「パートナーシップ制度」を4月から導入した函館市で7日、市内の女性カップルが第1号として利用し、受領証を受け取った。工藤寿樹市長らがセレモニーで祝福。2人は「(今日が2人にとって)いい日になればいいなと思う。私たちが宣誓することで、選択肢の一つとして選ぶ人が増えることを期待している」と話した。

 新たな門出を迎えたのは、市内在住の20代と30代のともに会社員の女性カップル。函館市役所を訪れた2人は宣誓書にサインすると、工藤市長から受領証が手渡された。工藤市長は「良きパートナーとして末永く幸せに暮らしてほしい」と祝福の言葉を贈った。

 日常で掛けられる何気ない一言などに生きづらさを感じることもあったというが、2人は「(宣誓したことで)堂々とできる」と笑顔を見せた。一方で制度が広がることでLGBT(性的少数者)への価値観が変わることも期待し、制度については「メリットを分かりやすく示してもらえれば」と希望した。

 同制度に法的拘束力はないが、市は制度利用者に市営住宅の入居や市立病院での手術同意など、夫婦や家族と同様の待遇を受けられるよう検討する。民間サービスなどへの波及効果も期待されている。

 LGBT当事者らで構成し、同制度導入に向けた機運醸成に努めてきた、レインボーはこだてプロジェクトの北見伸子代表(49)は「制度ができ、宣誓してくれた人がいることは喜ばしく、活動の励みにもなる。今後は利用者を増やすためにもより当事者のことを考えた制度として育てていく必要がある」と話した。

 函館在住で、当事者専門の相談事業を手掛けるNPO法人共生ネット(東京)の原ミナ汰共同代表理事(65)は「法的な証明ができる制度ではないが、宣誓することで社会的認知度が高まり、社会に応援してもらえる。今後は制度の意義を知ってもらうための周知が求められる。市内だけでなく、より広域でカバーできるよう取り組んでいくべき」とした。

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