市立函館病院の検査技師2人が難関資格取得【函館】
市立函館病院の中央検査部遺伝子細胞生物検査センターに所属する臨床検査技師の中河知里さん(36)と高屋絵美梨さん(26)がこのほど、認知症や血液検査に関する認定資格を取得した。ともに新型コロナウイルス感染拡大の影響で多忙を極める検査業務の合間にこつこつと勉強し、試験に合格した。2人は「さらに知識や技術を高める努力をしたい」と意欲を新たにしている。
中河さんは道南では初となる日本臨床衛生検査技師会の認定認知症領域検査技師を取得。高屋さんは日本検査血液学会の認定血液検査技師を取得し、道南では2人目となる。
認定認知症領域検査技師の資格は、臨床検査の知識と技能で予防、治療に貢献する人材を育成しようと創設。検査の知識、スキルのほかに認知症の概念や予防・治療での考え方など幅広い知識が求められる。
中河さんは遺伝子パネル検査にかかわる説明業務を行う「がんゲノム医療コーディネーター」も務め、患者と接する機会が多く、「認知症領域でもスキルを生かしたい」と、昨年12月の試験を受験。半年前から仕事や育児・家事と両立させながら試験勉強に取り組んだ。「専門外の習得が大変だった」と振り返る。
一方、認定血液検査技師資格は、骨髄検査など血液形態検査で専門知識や高度な判定能力を有する技術者の育成を目的に資格認定を実施し、高屋さんは「血液医学の知識を深めたい」と挑戦。取得には学術論文の発表業績や血液検査に関連した研修会での活動歴などが条件となっており、試験(昨年11月)の1年ほど前から試験対策を進めた。資格を取るのに検査技師として10年程度の経験が必要と言われる中、高屋さんは大学卒業後入職4年目でのスピード取得で、「仕事を終わってからもう一度奮い立たせて勉強するのが大変だった」と振り返る。
今後に向け、中河さんは「身に着けた能力を生かし、検査を拒む患者が安心して検査を受け、より多くのデータを診察前に提供できるよう認知症医療に貢献したい」、高屋さんは「新しい検査を確立したり、より高度な医療を提供できるようさらに頑張りたい」と話している。
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