演奏会後に部員や保護者の前で最後のあいさつをする中條教諭

　【北斗】上磯中学校吹奏楽部を全国区のバンドに育てた顧問の中條淳也教諭（４８）が３月末で同校を退職し、４月から北斗市教委に勤務する。２７日に市総合文化センターかなでーるで開かれた第２７回定期演奏会では、顧問として最後のタクトを振り、部員６９人と“上中サウンド”をホールに響かせた。

　中條教諭は上磯中に着任した２０１３年４月から吹奏楽部の顧問を務めた。９年間の指導で全日本吹奏楽コンクールに７度出場し、いずれも金賞受賞に導いた。１７年には文部科学大臣優秀教員表彰を受賞した。

　演奏会で部員たちは中條教諭の指揮に合わせ、昨年のコンクールの自由曲に選んだ「交響曲第２番『江戸の情景』より」や「ウエスト・サイド・ストーリー」など多彩な曲を熱演。客席から何度も盛大な拍手が送られた。

　３年生の卒部セレモニーでは、中條教諭が一人一人に花束を贈り、「コロナ禍でもくじけず次の目標に向け頑張ってくれた」と労をねぎらった。前部長の半洲毛美咲さん（３年）は「中條先生は大きな存在だった。私たちに全力で向き合い、どんなときも信じてくれた。演奏者、人としても成長させてもらった」と感謝の思いを述べた。

　保護者会の佐々木淳会長（４７）も「保護者のことを大事に考えていただき、こちらも全力でサポートしたいという思いになった。感謝しかない」と話した。

　中條教諭は「上磯中でなければできないことをいろいろ体験させていただいた。すてきな９年間だった。これから別な角度から学校教育にかかわるが、９年間お世話になった分、恩返しをしていきたい」と話した。