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函館新聞

七飯町長選 杉原氏が初当選【七飯】

集まった支持者らを前に睦恵夫人(左)と万歳で当選確実を祝う杉原氏(27日午後10時25分ごろ、七飯町本町の後援会事務所)=山崎純一撮影

 【七飯】任期満了に伴う町長選は27日投開票が行われ、新人で前町民生部長の杉原太氏(59)=無所属=が6053票を獲得、初当選を果たした。前町土木課長兼車両センター長の佐々木陵二氏(48)、函館市の会社代表、日下道子氏(40)、前町議の中川友規氏(39)=いずれも無所属=の3氏を下し、1962(昭和37)年以来60年ぶりとなった4氏による選挙戦を制した。2006年以来16年ぶりに新人町長の誕生となる。投票率は59・20%で、2018年の前回町長選を2・95ポイント上回った。

 現職の中宮安一氏が昨年9月に町長選不出馬を表明し、4氏が名乗りを上げ選挙戦を展開した。新型コロナウイルス禍で落ち込む観光など地域経済の立て直しや、今後予測される人口減少問題の対応などが焦点となった。

 杉原氏は「町民の声を生かして創る七飯町」をスローガンに掲げ、2030年度の北海道新幹線札幌延伸を見据えた移住定住の促進、公共交通機関の整備などを訴えた。労働者層など支持基盤を手堅くまとめたほか、40年の豊富な行政経験を生かした堅実なまちづくりをアピール、高齢者を中心に幅広い年代からの支持を集めた。

 次点の中川氏は1番先に出馬表明し、商工業など民間事業者を中心に支持を広げ、佐々木氏も建設業を中心に浸透を図ったが、及ばなかった。日下氏は3氏のせめぎ合いの中で浮上できなかった。

 杉原氏は1963年七飯町出身。函館西高卒。81年に役場入りし、生涯教育課長、政策推進課長などを歴任。2018年から民生部長を務め、昨年9月末で町役場を退職した。

 当日有権者は2万3720人で、期日前投票の利用は3744人だった。

午後10時25分現在(開票終了)=選管確定

   佐々木陵二(無所属・新) 3090票    日下 道子(無所属・新) 1176票    中川 友規(無所属・新) 3594票  当 杉原  太(無所属・新) 6053票

■解説 豊富な行政経験で幅広い支持  杉原氏は、労組を中心とした支持基盤を手堅く固めたほか、農業者や高齢者など幅広い支持を取り付け、圧勝した。豊かな行政経験を生かした堅実な町政を望む有権者の受け皿になったと言える。

 昨年11月に出馬を表明し、連合北海道と連合北海道渡島地域協議会から推薦を受けた。民生部長など役場在職中に積極的に町内行事参加するなど知名度が一定程度あり、地域の高齢者が後援会活動を草の根で支えた。

 次点の中川氏は民間を前面に出し、杉原氏や佐々木氏の役場出身者と差別化を図る戦いで商工業者などから支持を得たほか、佐々木氏は建設業界を足がかりに浸透を図ったが、及ばなかった。杉原氏は「町政刷新」を掲げて役場批判をかわし、現町政に不満を持つ有権者を取り込んだ。

 七飯町が抱える課題は人口減少問題だ。転入者数が転出者数を上回る社会増で推移しているため減少幅は比較的緩やかではある。だが2月末現在2万8052人の人口が、2045年には2万人を下回り、65年には約1万3000人まで減る見通しだ。

 杉原氏は北海道新幹線札幌延伸を人口減対策のチャンスと捉え、移住定住の促進で歯止めを掛けられるかが課題になる。コロナ禍で打撃を受けた地域経済立て直しも重要だ。杉原氏の有効投票に占める得票率は43%。6割ある不支持派と融和を図りつつ、一丸になったまちづくりを進めるリーダーの手腕が問われる。

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