北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

苫小牧民報

苫高専・當摩教授 感染状況の分析を研究 現行解析法の精度向上へ

苫小牧工業高等専門学校の當摩(とうま)栄路教授(62)が、新型コロナウイルスの感染状況を分析する研究に取り組んでいる。現行の基本的な分析方法である「感染症SIR数理モデル」に、マーケティングなどに用いられる「統計的多変量解析法」を追加する研究で、當摩教授は「精度の高い分析ができれば、より効果的な感染症対策につながる」と話す。

新型コロナウイルスの感染者数を予測する「SIRモデル」の応用研究を進める當摩教授

 同高専の創造工学科機械系の教授で、地域共同研究センターのセンター長を務める當摩教授はこれまでに新型コロナをテーマにした論文を2本執筆。2月23日に応用数学物理学雑誌の国際誌で英語論文「日本における環境変動の影響を考慮した多変量解析法によるCOVID―19変異型ウイルス感染状況分析の最適推定法」(日本語訳)、今月15日に産業応用工学会論文誌で「感染症SIR数理モデルと多変量解析法を融合したCOVID―19感染状況分析法の新提案」を発表した。

 當摩教授によると、現行の感染状況の分析に多く使用されるのは、感染可能性のある感受性人口や感染者数、回復者数から導き出す感染症SIR数理モデル。同モデルを基に「1人の感染者が平均して何人に感染させるか」という実効再生産数を計算しており、数字が高いほど感染の急拡大を意味する。

 品質工学や統計学を専門とする當摩教授は、風速や気温、降水量、湿度といった環境的な要因も感染状況に影響しているのではないか―と考え、同モデルに複数の変数から成るデータを統計的に分析できる「統計的多変量解析法」を新たに取り入れた。

 1本目の英語論文は昨年4~5月、2本目の論文では昨年9月までの道内の新規感染者数の推移データを使って研究に着手した。

 その結果、新型コロナの感染率の推移について、現行モデルでは、拡大も収束も見られない平衡状態となっている期間も見られたが、多変量解析法で分析すると拡大傾向が示されることが判明。感染力の強い変異株の感染拡大で医療機関がひっ迫した状況にあったと推察できるとし、現行の分析だけでは十分ではないことが分かったという。

 當摩教授は「今後は人流データやワクチン摂取率といった要因も加えて研究を続けていく」と語った。

関連記事

苫小牧民報

冬の白老を味わって 「ウエムラ・ビヨンド」と「オルセット」 白老牛やシカ肉..

冬の白老を味覚で堪能してもらおうと町内の飲食店2店が、新メニューの提供を始めた。町社台289のファームレストラン「ウエムラ・ビヨンド」は15日から、白老牛を使ったカレーやパスタを提供。町大町3のイ...

苫小牧民報

ごみ拾い続け20年 苫小牧桜木郵便局長の原さん

苫小牧桜木郵便局の原敏彦局長(64)が出勤前に続けてきたごみ拾いの通算活動年数が今年、20年を迎える。苫小牧市が郵便番号「053」にちなんで「ゼロごみ大作戦」を展開していることにも「縁を感じる」と...

室蘭民報

あれ?室蘭港内で…スケソウ好調 高い海面水温、岸壁に姿現す【室蘭】

 昨年末ごろから、室蘭港でスケソウダラが釣れている。港内では道内から集まった釣り人たちが連日さおを出し、釣果を上げようと奮闘している。水産関係者によると、スケソウは主に沖合で獲れる魚で、投げ釣り...

十勝毎日新聞

立川談吉さん真打ち昇進へ 市出身の落語家「談志最後の弟子」【帯広】

 帯広市出身の落語家立川談吉(本名・後藤正寿)さん(43)=都内在住=は、落語立川流の最高位・真打ちへの昇進が内定した。談吉さんは「落語を楽しんでもらい、来てくれた人を満足させられる真打ちになりた...

十勝毎日新聞

雪なし会場 氷まつり困った 「材料」他から運搬、一部縮小も【帯広】

 今シーズンの異例の雪不足が、31日から帯広市緑ケ丘公園で開催される「第62回おびひろ氷まつり」(2月2日まで、帯広のまつり推進委員会主催)の会場準備を直撃している。造成中の大型滑り台は急きょ、...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス