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函館新聞

88年前の函館大火 中尾さん「函館ぶら探訪」【函館】

函館大火の足跡を案内する中尾さん(手前)。奥に見える建物が岡田健蔵館長が延焼から守った旧図書館の書庫

 箱館歴史散歩の会を主宰する中尾仁彦さん(79)が案内人を務める「函館ぶら探訪」が20日、今年の活動をスタートした。「未曽有の昭和9年大火巡り」として、1934(昭和9)年3月21日に起きた函館大火の記憶が残る地域を、88年前の発生日に合わせて2日間で訪ねる企画。初日は約45人の市民とともに住吉町から豊川町の旧市役所前までを3時間かけて歩いた。

 通算192、193回目として開催。昭和9年の函館大火は3月21日午後6時53分に住吉町で最初の火災が起き、強風で火の手が拡大。半日間で当時の市街地の3分の1を焼き尽くし、死者2166人、行方不明者662人、2万2667世帯が焼け、被災者は10万人を越えた近代史上屈指の都市災害。

 初日は住吉町の出火元付近から案内を開始。2階建ての家屋の屋根が風で吹き飛ばされ、いろりの残り火に引火したことが失火原因で、周辺の家屋へと燃え広がった。強風下で消防の到着も遅れ、水量、水圧も乏しく放水しても霧状にしかならなかったという。中尾さんは「最初の火事は住吉町かも知れないが、その後15カ所ほどで出火している複数の不運が重なった」とした。

 火勢は強まる中、消防は谷地頭電停付近、青柳小学校付近と次々と防御線を下げざるを得ず、荷物を抱えた多くの市民が函館公園にも逃げ込んだ。公園内の図書館では岡田健蔵館長が鉄扉に水を掛けて鉄筋コンクリート造の書庫への延焼を防いだ。「岡田さんは燃えない図書館をつくろうとした先覚者。孤軍奮闘して守ったおかげで函館に本が残っている」と感謝した。

 今年が開局90周年となった南部坂沿いのNHK函館放送局跡では、電源を喪失し、連絡が途絶えた函館の異変を察し、札幌局の職員がアマチュア無線機を持って函館入りし、惨状を全国に向けて発信したことを紹介。刑務所の支所や電話局、市役所などでも職員の機転で機材や重要書類が守られたという。

 2日目の21日は多くの犠牲者を出した亀田川沿いや慰霊堂などを巡る。参加人数に制限を設けているため、新規参加は受け付けていない。

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