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函館新聞

水木しげる生誕100周年を祝福 中村さんが記念イラスト【函館】

「優しくてのんびりだけど強い」という第5期が〝推し鬼太郎〟という中村さん

 妖怪漫画の巨匠、漫画家の水木しげるさん(1922~2015年)が3月8日に生誕100周年を迎え、函館本通中学校2年の中村咲雪さん(14)が記念のイラストを描いた。代表作「ゲゲゲの鬼太郎」の大ファンで、原作やアニメの設定を生かした鬼太郎たちが水木さんを取り囲んで祝福。〝ゲゲゲ愛〟にあふれる1枚に仕上げた。

 水木さんが紙芝居作家時代から描き続けた鬼太郎は漫画だけでも膨大な量の作品が残る。テレビアニメ化も6度あり、放送開始時期は1968、71、85、96、2007、18年と半世紀に渡り、08年には「墓場鬼太郎」のタイトルでも制作された。各シリーズで時代背景も異なり、鬼太郎たち主要キャラクターの性格や描かれ方、設定に違いがあるという。

 中村さんは好きなアニメや漫画の模写を始めて絵を描く楽しさを覚え、中学校では美術部に入ったことも刺激になって上達。小学校低学年の頃にアニメ第4、5シリーズの再放送で出合った鬼太郎には昨年から再びはまり、歴代アニメの設定を参考にした創作イラストを描いて楽しんでいる。

 また、曽祖父(故人)の蔵書にあった水木しげる集(69年、筑摩書房刊)や愛蔵版ゲゲゲの鬼太郎(88年、中央公論社刊)を譲り受けた。原作の古い言葉遣いや絵の細部までアニメとは別の魅力があり、「水木先生の絵は背景が凝っていたり、手足の描き方がすごい。原作の鬼太郎は(まねようと思っても)描きにくい」と話す。

 生誕100周年を記念したイラストは、目玉おやじを手にした水木さんを中心に据えて、歴代の鬼太郎9人を描き分け、ねずみ男、「河童の三平」など水木さんの別作品のキャラ、23年に新作公開が発表された「悪魔くん」も取り入れ、にぎやかな絵となった。

 将来はアニメ制作の現場で働きたいと目標を持ち、妖怪のブロンズ像が立ち並ぶ鳥取県境港市の「水木しげるロード」に行くのが夢だ。中村さんは「水木先生の絵に近づきたい。先生の『好きの力を信じる』という言葉を思って描いていきたい」と話している。

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