乙部の土砂崩れ、山側トンネル案で復旧へ 短絡路は4月開通【札幌、乙部】
【札幌、乙部】土砂崩れで通行止めが続く乙部町館浦地区の国道229号について、函館開発建設部は14日、札幌市内で有識者による検討会を開き、山側に別線トンネルを掘削する案が妥当との考えを取りまとめた。
有識者検討会は、土木工学の専門家5人で構成する斜面対策技術検討会(座長・蟹江俊仁北大大学院教授)。函館開建が昨年12月の同検討会で提示した5つの恒久案についてあらためて議論し、「山側トンネル案」が妥当として一致した。海側架橋など他の案に比べて景観への影響が少ない上、事業期間や事業費面でも他の案よりも有利だった。
同案は土砂崩れの恐れのある崖と土石流の影響を受ける可能性のある谷をトンネルで回避するもの。崖の途中にある谷をはさみ、現在の館の岬トンネルの江差側出口の途中から山側に分岐するトンネルと、乙部町鳥山の既存ルートに接続するトンネル(いずれも長さ約800メートル)を設ける。工期は7~10年、事業費は約140~190億円を見込む。
国道229号館浦地区では昨年6月から通行止めが続き、町民らは迂回(うかい)ルート(17・4キロ)の利用を強いられている。普通車、緊急車専用の短縮ルートを確保しようと、乙部町道館浦鳥山線を活用した応急復旧短絡路(3・1キロ)の工事が進められており、乙部町は4月の開通を目指す。
同部は検討会の結論を受け「今後、国会による審議を経て(新ルート工事が)予算化されれば、早い時期に事業に着手したい」としている。
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