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釧路新聞

「鳥取小物語」一本嶋校長が発刊【釧路】

 

鳥取地域の歴史と文化をまとめた一冊を手にする一本嶋校長

「自分たちのマチに誇りと愛情を持ってもらいたい」という思いを込めた冊子「鳥取小学校物語プレミアム~鳥取文化のプライド」が、第33代校長の一本嶋仁志校長によって刊行された。今年5月で満135歳と釧路市内で最も歴史ある小学校の同校では、総合的な学習の時間で鳥取に関わることを調べて卒業論文をつくり、プレゼンする「鳥取学」という学習がある。この授業の副読本として120人を超える地域住民や卒業生らの証言を校長自らまとめたもので、まさにプレミアムな一冊だ。

 一本嶋校長が同校に赴任したのは2019年4月。学校の歴史を調べたときに出会ったのは「明治36(1903)年、鳥取小学校に名誉旗が授与される」という一文だった。名誉旗は前任地の浜中町立霧多布小学校など道内でも特に教育熱心な学校に授与されていた。一本嶋校長は名誉旗について調査し、道教委に問い合わせ、渡島管内福島町まで出向いて実物を写真に収めていた。そして鳥取小で再び名誉旗に出会った。

 一本嶋校長は「明治の時代は小学生でも働き手として期待され、幼いきょうだいのおもり役でもあった。それを何とか学校に通うようにと行政も一生懸命だった。その時に模範的な存在だったのが鳥取小だった」という。旧鳥取藩の士族が現在の釧路市鳥取に移住して開墾のくわを入れた時代に、警察の交番より先に設置されたのが鳥取小で、教育熱心な人たちによってまちがつくられた。

 「その鳥取の歴史を現在につなげたい」と一本嶋校長は就任後、地域の歴史収集に取りかかった。その年の12月23日に校内に「鳥取小学校博物館」が完成。資料は当初800点だったが、地域や卒業生たちの協力もあって展示数は1200点を超えるまでに増えた。その集大成がA4判136㌻にわたる「鳥取小学校物語プレミアム」だ。

 冊子には鳥取町誌に残る移住者の記録をはじめ、一本嶋校長が集めた卒業生、教職員ら120人超の証言を収録。地域の歴史や日本製紙釧路工場、学校行事などについての思い出が語られている。「今こそ皆さんの記憶を記録に残したかった。きっと今後に役立つと思う」と語る。そして「この本を鳥取学の副読本として生かしてほしい」と希望している。

 一本嶋校長は18日の卒業式で第126回卒業生52人を見送り、60歳定年で教員生活にピリオドを打つ。制作した300冊の証言集は、60冊を校内の博物館に寄贈する。

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