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函館新聞

乙部町で100年ぶり群来 ニシンの産卵確認【乙部】

海面が白く染まった乙部漁港(午前10時ごろ、乙部町提供)

 【乙部】町は8日、ニシンが大群で来遊し、放精、産卵する「群来(くき)」の現象が乙部漁港内で確認されたと町ホームページなどで発表した。町内では、桧山管内でニシンの漁獲量が皆無となった1917年(大正6)以来、約100年ぶりという。

 ひやま漁協によると、同日夜明けごろに放精されたとみられ、同漁港内や漁港から南側の町滝瀬の海岸線に沿って海中が乳白色に染まった。漁港内の海藻やロープなどには、約1ミリの大量の卵の付着が確認されたほか、約1センチの丸型をしたニシンのものと思われる鱗も複数発見された。

 2016年から毎年、桧山管内沿岸各町でニシン稚魚を計100万匹放流するなどして桧山沖ニシン資源の復興を目指している「桧山管内水産振興対策協議会」の会長を務める工藤昇上ノ国町長は「継続は力なりで、感無量。浜の活気につながる活動を今後も続けていきたい」と話し、白濁現象を確認した寺島努乙部町長は「関係者の長年の努力に感謝している。今後の振興に期待したい」と述べた。

 桧山管内では17年と20年に江差町内で群来が確認されている。桧山地区水産技術普及指導所では海藻サンプルを同日回収し、付着している卵がニシンのものであるか中央水産試験場(後志管内余市町)へ送り、確認することにしている。

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