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函館新聞

つくり育てる漁業へ転換 第3次函館市水産振興計画、キングサーモン養殖など重点【函館】

不漁が長期化しているスルメイカの水揚げ(昨年6月)

 函館市は、今後5年間の施策展開の指針となる「第3次市水産振興計画」の素案をまとめた。新たにSDGs(持続可能な開発目標)の理念に沿って施策に取り組むことを表明し、天然資源に依存しない「つくり育てる漁業(栽培漁業)」へのシフトチェンジを明確化。キングサーモンの養殖技術の開発や、天然コンブの再生を妨げる原因の解明などを重点施策に盛り込んだ。パブリックコメント(意見公募)を経て今月末に成案化する。

 期間は2022~26年度の5カ年。今回新たにSDGsの視点を計画に盛り込み、国際的な目標の一つ「海の豊かさを守ろう」を意識しながら施策を展開する。

 市内5漁協の組合員数は14年に2159人だったのに対し、20年には1782人まで減少。販売高は14年の185億円から20年の132億円まで低下した。主要魚種のスルメイカ不漁が長期化し、天然コンブも資源が減少、さらに新型コロナウイルスの影響で魚価が低迷。漁業経営体数は市の人口よりも速いスピードで減少しており、経営体数の減少が続けば、生産基盤の弱体化が懸念される。

 計画では、つくり育てる漁業へのウエートを高める必要があると位置づけ、持続可能な漁業の維持を目標に掲げる。

 持続可能な漁業の推進では、赤潮の発生への対応として定期的に採水・モニタリング調査を実施。安定した漁業経営の推進では、漁業経営体の現状を把握するための実態調査に乗り出すほか、特定技能などの外国人材を含め漁業従事者の安定的な確保策を検討するとともに、トヨタ自動車の生産方式「カイゼン」の導入でコンブ漁業作業工程を見直す。

 重点的な施策としてキングサーモンの完全養殖技術の研究・開発のほか、ウニ、アワビ、ナマコなどの養殖の可能性を検討。コンブでは、北大大学院水産科学研究院などと連携し、天然藻場の回復手法を開発したり、完全養殖技術を確立したりする。

 市水産課の佐藤貴洋課長は「SDGsを計画に位置づけ、施策を推進する。つくり育てる漁業のウエートを高めることで、天然資源を守り、漁業生産を将来にわたって維持していきたい」と説明する。

 意見は23日まで募集し、ファクス(0138・23・0325)またはメール( suisanka@city.hakodate.hokkaido.jp )で。問い合わせは同課(同21・3336)へ。

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