「雪たらこ」「黒のり」が北のハイグレード食品に【函館】
上質な道産加工食品を認定する道主催の「北のハイグレード食品2022」で、道南から一印高田水産(鹿部町)の「雪たらこ」、ひやま漁協江差支所(江差町)の「江差名産黒のり」が選ばれた。最上級の道産品として〝お墨付き〟を得て、今後の販路拡大が期待される。道南の自治体別では函館市の9品に続き、鹿部町が7品受賞しており、鹿部産品の健闘ぶりが目立つ。
雪たらこは、12月に旬を迎えるスケトウダラの完熟卵のみを使った貴重なタラコで、同社が製造する最高級品質タラコのブランド。家族が体調を崩して入院したのを機に、誰もが安心して食べられるタラコを作りたいと思い、天然色素の紅こうじ着色による優しい色合いにたどり着いた。また、製造工程も見直し、今まで以上においしくなった雪たらこならではの、口の中でサラサラと流れる雪解けのような食感が楽しめる。450グラム入り3500円(税別)。
江差名産黒のりは、かもめ島にある千畳敷と呼ばれる平たん部で、打ち寄せる日本海の波風が、強い磯の香りを持つ極上の岩のりを育てる。寒風の中、漁業者が中腰になりながら、先がL字になった「カギ」と呼ばれる漁具を使い、岩に張り付いたノリを黙々と摘み取る。付着物を丹念に洗い取り、包丁で細かくたたき、四角い形に整形。隙間なく、真っ黒いのりに仕立てるのに手間暇を惜しまない。軽くあぶると、パリッとした食感の後に波のように磯の強い香りが押し寄せ、ほのかな甘みがある。地元では、あぶったのりをしょうゆに軽く浸し、温かいご飯で少し蒸らしたのりご飯が最高のごちそうだ。5枚入り3800円(同)。
北のハイグレード食品は2011年度以降、毎年選定。21年度まで165品が選定され、このうち道南からは24品。カリスマバイヤーや一流シェフ、流通関係者らで構成する「北海道食のサポーター」が審査したもので、今年度は119品が応募、17品が選ばれた。22日に受賞式があった。
渡島総合振興局は「こだわりを持った商品づくりが道南から2品認められ、うれしい。これを通過点とし、さらに良い商品を作ってほしい」(商工労働観光課)としている。
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