水槽内の付着器に密着して順調に育っている稚ウニ

【えりも】えりも港に隣接するえりも漁協のウニ種苗生産センターで、春の放流に向けて稚ウニの育成生産が順調に進んでいる。

　同漁協の主要漁獲物であるウニ（エゾバフンウニ）は、前浜の豊富なミツイシコンブを餌に味覚が良好で、毎年春に開催する「ウニまつり」には、旬の味を求めて札幌圏や十勝方面から８５００人（令和元年）以上が詰め掛け、「えりもの三大イベント」の一つとして知られている。

　２０２０年度（令和２年度）には51㌧、１億２０００万円の漁獲があったが、21年度は、昨年９月に発生した赤潮でウニの大量死被害があり、春漁期のみの25㌧、４９００万円にとどまり、さらにコロナ禍から「ウニまつり」も中止している。

　種苗生産センターで現在飼育中の稚ウニは、昨年春から初夏に漁獲して受精させたもので、現在は殻長１㌢ほどに成長。約３００万粒が屋外の水槽30基と屋内水槽12基で、海水内で自然発生の藻を餌に飼育され、ことし春には同漁協管理海域に分散して放流する。　

　同漁協の住野谷張貴専務は「今年のウニまつりも、赤潮被害の影響で中止せざるを得ないが、春に放流する稚ウニが順調に育って３～４年後に浜を潤してくれれば」と期待している。

稚ウニを屋外水槽で順調に飼育中