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函館新聞

気候変動「影響あった」5割 生育に好影響も被害粒増加 水稲生産者アンケート【函館】

 昨夏の記録的な暑さを受け2021年産水稲の生産で、5割の生産者が気候変動の影響があったと回答したことが、道農政事務所函館地域拠点(函館市新川町)のアンケートで分かった。影響があったと回答した生産者のうち「生育が良く、収穫量が増加した」との回答があった一方で、7割が「被害粒(胴割れ粒)、白未熟粒が増加した」と答えたことも分かった。

 調査は、昨年12月に初めて実施。同8月7日に函館の最高気温が33・9度となり、1872(明治5)年の統計開始以来、観測史上最高を記録するなど道南でも猛暑に見舞われたことを受け、生産者に気候変動の影響や今後の意向を聞くのが狙い。コメ生産が盛んなJA新はこだて、JA今金町、JAきたひやまを通じアンケート票を配り、道南1市12町の55人が回答した。

 21年産水稲で、高温や少雨など気候変動の影響を受けたか聞いたところ「影響があった」が54・5%と最も多く、次いで「影響がなかった」が36・4%、「よく分からない」が9・1%となった。

 影響の内容は「生育が良く、収穫量が増加した」が70・0%、「タンパク値が低く食味が良くなった」が40・0%とプラス面の一方、「被害粒(胴割れ粒)、白未熟粒が増加した」(73・3%)とマイナスの影響が出たと答えた生産者も多かった。

 今後も気候変動の影響が続くと予想される中、生産者としてどう考えるかについて「来年度に向け対策を講じる必要がある」が47・3%で最多、「不安はあるが具体的な対策までは考えていない」が40・0%となっている。

 具体的な対策で最も多かったのは「水管理の徹底」(73・1%)、「生育状況に応じた適切な肥培管理」(38・5%)、「収入減少に備えた収入保険への加入」(34・6%)の順。

 また、今回のアンケートのほか、JAや生産者から聞き取り調査を行ったところ、野菜では「ニラの葉先枯れ」「トマトの収量が多くなったが、産地競合で価格が下落した」「レタスの不結球が発生した」「ジャガイモが小玉で収穫量が減少した」などの影響が見られた。

 気候変動への対応として、6割が高温対策などの営農指導を、国や関係機関に要望していることが分かった。

 同拠点の相馬敏博主任農政推進官は「温暖化に伴う水稲生産は、高温障害のリスクを最小限に減らす必要がある。一方で、道内でもワイン醸造用ブドウやサツマイモの栽培が可能となるなど、プラスの影響をチャンスにつなげることが重要」と指摘している。

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