現場でパソコンを使いモバイルワークを試行する振興局職員（提供）

　【長万部】渡島総合振興局は１６日、道が取り組む「スマート道庁」の一環として庁舎外でのモバイルワークを試行し、長万部町内にある砂利採取場で、安全確認などの立ち入り検査を行った。立ち合い事業者への対応が迅速になり、成果は上々だった。

　道は、今年４月から公用スマートフォンを利用したテレワーク環境の運用を開始する予定で、本格運用に先駆け、振興局商工労働観光課が試行。スマホのテザリング機能（インターネットに接続する）を使い、現場などの庁舎外でも、庁内のネットワークに接続することが可能となる。

　この日は、砂利を採取している、かもめ商興（高山繁社長）からの質問に対し、振興局職員が庁内ネットワークに接続したパソコンを活用し、関係法令やマニュアルなどの資料を検索、提示することで対応を迅速化。また、これまでは現場で手書きしていた検査結果を庁舎に戻ってからデータ化していたが、現場で電子帳票に直接入力し、業務の効率化を実現した。

　育児をしながら勤務している同課の小坂理奈主事（２９）は「道庁内のルールが見直され、出張や外勤の日でも在宅勤務を併せてできるようになり、きょうは現場から直帰し、在宅で検査調書のチェックと報告書を作成する。在宅勤務とモバイルワークをうまく活用し、移動時間を短くして、仕事をしながら子どもとの時間を増やしていきたい」と話した。

　全道でのモバイルワークの試行は、９日に道中央児童相談所（札幌）、１５日に上川農業改良普及センター（上川管内当麻町）で実施、渡島で３カ所目。