函館市は新年度、スケートボードの屋内練習場の整備に向け、調査費を予算計上した。東京五輪で正式種目に採用されたことで関心が高まり、市内でも取り組む人が増えている状況を受け、今夏のイベント開催などで競技人口や、施設の必要性などのニーズを把握する。他都市の事例も参考に調査を行う方針で、旧凌雲中学校（千代台町）の体育館を候補地とする考え。

　昨夏の東京五輪では、同競技で日本勢のメダルラッシュに沸き、道内からは開心那選手（苫小牧市）が銀メダルを獲得した。市内にも民間のスケートパークが誕生したり、屋外で楽しむ人もいる一方で、禁止区域となっているベイエリアなどで滑走する人も少なくなく、設置されている公共物に傷がついたり、騒音などの問題も挙がっている。

　市は課題となっている練習場所の確保につなげようと、新年度予算案で調査費として５００万円を計上。今夏には屋外で愛好家らを集めて、滑走台などを設置したイベントやワークショップを開く予定で、アンケートも行い競技人口の把握や、練習場所へのニーズなどを聞き取る。また、全国にあるスケボーパークの事例も参考にするという。

　市内には滑走台を製作する会社もあるといい、市教委生涯学習部は「さまざまな人たちの意見を聞き、検討を進めていきたい」とする。また、ボルダリングの練習ができる壁の設置も想定している。

　新年度は調査を経て、騒音やけがなどへの対応、運営方法なども合わせて検討する考えだ。