【新ひだか】静内川の白鳥ふれあい広場では、今年もシベリアから越冬してくるオオハクチョウが数多く見られている。多くのオオハクチョウが集まり、エサを探して水中にくちばしをついたり、羽を伸ばすように広げたりして愛くるしい姿を見せている。

　静内川の白鳥ふれあい広場は道内でもハクチョウの渡来数が多い場所で、付近の河畔は見学しやすいように整備されており、白鳥の姿を間近で望むことができる。１月のピーク時には約１００羽がここで羽を休め、多くの見学者が訪れ、町の冬の風物詩となっている。最近では静内市街地を流れる古川にも約１００羽のハクチョウが見られ、三石川河口にも約50羽ほどが見られる。

　日本白鳥の会副会長や日高鳥類研究所の所長を務め、写真撮影や執筆などで幅広く活動する谷岡隆さん（73）は「今年もほぼ例年と変わらない数が渡来してきている」と話している。静内川河口は密集していたヤナギの木を伐採、川に中州を作るなど白鳥などの野生動物の越冬環境整備が行われ、谷岡さんも、オオワシやオジロワシなどの止まり木など野生動物に対する環境整備にも積極的に取り組んでいる。

　谷岡さんは見学者に対して「人間が食べるものをエサとしてあげるのはやめてほしい。野生の生態系を崩さないよう優しく見守ってほしい」と呼び掛けている。

　ハクチョウの越冬は、結氷しない河口が条件となり、水中の藻などを主食として、11月中旬から２月下旬まで約３カ月を過ごしている。

静内川で越冬するオオハクチョウ＝12日午前＝