秋田てるさんら表彰【新ひだか】
【新ひだか】財団法人アイヌ民族文化財団(札幌市、常本照樹理事長)はこのほど、本年度のアイヌ文化賞に白老町の山崎シマ子さん(81)とアイヌ文化奨励賞を新ひだか町静内御園の秋田てるさん(73)ら4個人、1団体を表彰した。
民族文化財団は、アイヌ文化などの保存・伝承に貢献した個人や団体に毎年、文化賞や文化奨励賞を贈呈している。今年も新型コロナの感染拡大を受け、札幌市で開催の贈呈式を中止して個別に贈呈することにした。
秋田さんは、幼少期からアイヌ模様などの刺しゅう文化に直接触れてきた経験を生かして民族衣装を制作し、数々の著名人に贈呈するなど伝統文化活動の普及・啓発に尽力。また、アイヌ文化に関する経験と知識は、シャクシャイン法要祭をはじめとする地元での伝統儀式の運営や民族衣装制作など、静内地方のアイヌ文化継承には欠かせない存在であり、その豊富な知識と経験をもって、静内地方のアイヌ文化伝承に積極的に取り組んでいる。
1985年(昭和60年)道アイヌ協会静内支部に入会。96年シャクシャイン法要祭実行委員会に入会。2008年鳩山由紀夫元内閣総理大臣にチニンニヌプ(民族衣装)を制作贈呈。10年静内地方におけるアイヌの生活文化の変容に関する調査研究に協力。20年鈴木直道北海道知事にチニンニヌプを制作贈呈など。
2月8日に秋田さんの自宅で行われた贈呈式には、文化財団の常本理事長と阿部範幸事務局次長が訪れ、新ひだかアイヌ協会の菅原勝吉民族文化専門員らが見守る中、常本理事長から表彰状と副賞の記念品が手渡された。
アイヌ文化奨励賞を受け取った秋田さんは、「奨励賞をいただき大変うれしい」と感謝していた。
アイヌ文化奨励賞の受賞者は次の通り。
▽秋辺日出男(61)(釧路市阿寒町)、菅野節子(77)(胆振管内白老町)、丸子美記子(64)(栃木県小山市)、マクンベツアイヌ文化伝承保存会(十勝管内幕別町)
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