晴山邸、田柳邸所有者を表彰 歴風会文化賞受賞式【函館】
函館の歴史的風土を守る会(歴風会、佐々木馨会長)は11日、末広町会館で「第39回歴風文化賞」の表彰式を開いた。保存建築物として選定した「晴山勇邸蔵・母屋」(大森町)と「田柳邸(宝来亭)」(宝来町)の関係者に佐々木会長から賞状が贈られた。
同賞は1983年度に創設。建造物自体の貴重性や歴史性、街並みへの波及効果など6項目の基準に選考している。
晴山勇邸は、1905(明治38)年頃に建てられた石造りの蔵と、34(昭和9)年の函館大火後に建てた木造2階建ての母屋からなり、明治末から昭和初期にかけてを知る貴重な建築物と評価された。宝来邸は、37(同12)年頃に青柳坂に面して建てられた木造平屋建て。玄関前柱上部のアーチ意匠や石張りの外壁、2つの出窓などは創建当初の外観を保っている。
また、二十間坂と魚見坂を結び、函館山北東部の山裾に広がる市街地を横断する。「港が丘通」(元町周辺)を原風景として認定。異国情緒が漂う通りで、混在する和風住居や寺院と相まって、開港以来の函館の歴史をいまに伝える。
表彰式は関係者のみで開催。晴山勇さんの長男、晴山広道さんと、宝来亭の所有者、田柳恵美子さんが出席。受賞者を代表して田柳さんは「今までの所有者の手入れのおかげで、建物の保存状態がよく快適に生活できている。今後もイベント会場などに活用しながら、大切に守っていきたい」と話していた。
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