はこだてピースマップデジタルの表示画面

はこだてピースマップデジタルにアクセスする二次元コード

　函館ＹＷＣＡは、函館市内の戦跡を紹介する「はこだてピースマップ　デジタル」を公開した。道教育大学函館校の奥平理准教授（観光学）のゼミ生が制作に協力。イラスト地図に落とし込んだ動画や写真などの情報をスマートフォンやパソコン上で見ることができる。

　函館ＹＷＣＡピースプランニング委員会（丸山泉委員長）は２０１７年８月にＡ２判の地図と解説本からなる「はこだてピースマップ　観光コースではない函館散歩」を発行した。太平洋戦争中の出来事を中心に３０の項目を取り上げ、１５００部以上が売れた。

　丸山さん（６５）は「ピースマップは予想を上回る反響があった。若い人たちに伝える意義を感じ、うまく発信できる方法はないかを考えた」と話す。昨年夏に函館校の地域協働推進センターを通じて協力を依頼し、奥平准教授（５６）の紹介を受け、ゼミの２年生７人が秋から取り組んできた。

　マップは、市民や観光客にもスマホ片手に気軽に利用してもらおうと地図アプリの「Ｓｔｒｏｌｙ（ストローリー）」を活用。手書きやイラストなどの地図に位置情報を落とし込むことができる。ＹＷＣＡが函館山を中心としたイラスト地図を用意。津軽要塞があった函館山や太平洋戦争末期の函館空襲（１９４５年７月１４、１５日）で被害を受けた旧駒止町周辺など１６カ所の情報を載せた。学生たちが実際に現地を歩くなどして、掲載する情報を整理した。

　函館山の要塞を紹介する動画の撮影、編集を担当したゼミ生の酒井常行さん（２０）は「函館と戦争のイメージはなかったが、こういう歴史があったと学んでもらうきっかけになれば」と話していた。

　閲覧はストローリー（　https://stroly.com/ja/　）内で「はこだてピースマップ」で検索すれば表示される（二次元コード参照）。