クロチクの花咲く 「120年に1度」珍しい出来事
「開花は120年に1度」とされる竹の一種が、苫小牧市サンガーデン(末広町)で花を咲かせた。開花したのはイネ科のクロチク(高さ約3メートル)。数年前から全国各地で報告が相次ぎ、市内でも起きた珍しい出来事に来場者も感慨深げだ。
サンガーデンでは1月下旬、黄緑色で稲穂のような花を一斉に付け始めた。担当者は「咲いたところを見たことのある人がいない。なぜ咲いたのか分からない」と首を傾げる。
近畿大学農学部の井上昭夫教授によると、平成の終わり(2019年)ごろから各地で開花の報告が増えているが、メカニズムは解明されていない。事例が少ないことから十分な知見が得られていないという。「花を咲かせ種を付けた後は徐々に枯れ、残された種から新しいクロチクが芽吹く」と話す。
「クロチクはハチクの変種で、開花周期はおよそ120年」と説明する森林総合研究所も分からないことが多く、貴重な事例の観察を丁寧に続けるよう勧めている。
1日、散歩に訪れた旭町の60代主婦は「よく見るとかわいらしい。すごく珍しいと聞いたので、良いことがありそう」と笑顔で写真に収めていた。
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