通りの雪だるま「心がほっこり」 谷地頭町の武田さん制作【函館】
函館市谷地頭町の無職、武田重孝さん(82)が制作した高さ1・7メートルほどの巨大雪だるまが「心がほっこりする」と近所の評判を呼んでいる。函館八幡宮の通りの両側に計4基あり、スマートフォンで写真を撮っていく地元住民や旅行者が後を絶たない。武田さんは「作るのは大変だけれど、喜んでもらえてうれしい」と話している。
武田さんが雪だるまを作り始めたのは4~5年前。当時、青柳町に住んでおり、除雪作業でたまった雪を活用し、自宅前に雪だるまを作ったところ、送迎バスに乗っていた園児から好評で、谷地頭町に移り住んだ後も、毎年作り続けている。昨季から4基に増やし、地元でも穴場的スポットになっている。
今季は昨年12月にまとまった雪が降った際、ろうを塗って滑りを良くしたスコップを使い、4基を作り上げた。レギュラーの顔のほかにアンパンマンの顔、マスク着用、たばこをくわえたものとバリエーションを付けており、眉や目、鼻、口はベニア板製で、釘で打ち付けたほか、たばこは木の枝を利用した。表裏両方に顔を表現しているのが特徴。毎日、見回りをして顔のパーツが落ちていないか確認し、新しい雪をくっつけて修正するなど維持管理に余念がない。
武田さんの自宅からは雪だるまが見える。武田さんは「道行く子どもたちが喜んでくれるのが一番うれしい。大阪から来たカップルが、雪だるまの前で写真を撮るなどして長時間滞在していたことも。地元からは『たくさん作って、だるま通りにしたら』と提案されたけど、4基を作るので精いっぱい」と笑う。
武田さんは、もともとタクシーの運転手で「サービス精神やボランティア精神が旺盛なのかもしれない。人を喜ばすことが好き」と笑顔を見せる。
今後暖かくなり、雪だるまの体が解けてきたら、武田さんが崩すという。
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