【新冠】町内大富の芳住牧場（芳住鉄兵社長）生産のミューチャリー（牡５歳・馬齢は昨年のもの）が17日、地方競馬全国協会が発表した「ＮＡＲグランプリ２０２１」の年度代表馬に輝いた。

　ＮＡＲグランプリは地方競馬での活躍をたたえるため、地方競馬全国協会（ＮＡＲ）が１９９０年度から設けている年間表彰制度。

　ミューチャリーは、２０１８年８月に船橋競馬場でデビューし、単勝１倍台の人気で２連勝を飾り、無敗で重賞の鎌倉記念に挑み６馬身差をつけ圧勝した。以後、地方競馬では大崩れは無く掲示板に名を連ねている。

　迎えた21年11月に金沢競馬で開催された「ＪＢＣクラシック（統一ＧⅠ）」のタイトルは、これまで地方馬が出走するも中央馬の牙城を崩せずにいたが、同馬が地方馬として初めて勝利する快挙を成し遂げた。

　ミューチャリー（船橋競馬所属）は父パイロ、母ゴッドビラブドミー（母の父ブライアンアンズタイム）の血統で、24戦８勝。獲得賞金は２億７２６８万円。主な勝ち鞍は18年鎌倉記念（船橋重賞）、19年羽田盃競走（大井重賞）、20年マイルグランプリ（大井重賞）、21年大井記念競走（大井重賞）、ＪＢＣクラシック（統一ＧⅠ）。

　生産した芳住牧場は、１９６７年（昭和42年）に先代の芳住革二さん（74）が生産牧場として設立。２０１１年（平成23年）に息子の鉄兵さん（45）が社長に就任。鉄兵社長と両親の３人で現在は10頭の繁殖牝馬と子馬を管理している。通算勝利数は、中央競馬25勝、地方競馬１１９勝を挙げている（25日現在）。

　鉄兵社長は「ほかに有力馬がいて選ばれると思っていなかったので驚きました。グランプリを獲得できてとてもうれしいです」と笑顔で話した。

　同馬は生まれたばかりの時は、身体は柔らかく柔軟で、性格は他の馬に追いかけられるようなおとなしく、目立たない子馬だったと当時の様子を振り返った。

　同牧場では、繁殖馬10頭のうち７頭が受胎し、誕生を待っていて今後の期待も高まる。

当歳時のミューチャリ ー＝芳住さん提供＝