匿名の寄付者から手紙 理事長「ご希望に添うように使います」【池田】
池田町の社会福祉法人池田光寿会(大熊豊政理事長)に11日、一通の手紙が届いた。差出人は、同法人が運営する帯広市内の児童養護施設「十勝学園」(山本敏博施設長)に対し、昨年12月に匿名で10万円を寄付した人物。寄付金が実際に使われたかを心配する内容が手紙に記されていることから、大熊理事長は「使い道はこれから決めますので、どうかご安心を」と話している。
手紙の差出人の名前、住所など詳細は不明。文面には「名も知らずのお手紙で失礼とお許し下さい」の書き出しで、「未来ある子供達に何かの足しにして下さい 探さないで下さいネ 令和3年十二月十四日」と記したメッセージとともに10万円を封筒に入れ、同施設のポストに投函(とうかん)したことが明かされている。
さまざまな事情を抱える子どもたちの役に立ちたいという思いが記されている一方、「子供達の元に届いてますでしょうか? 私のやり方が間違っていたのではないかと反省してます」とあり、寄付金がどう使われるかが分からずに不安げな気持ちも読み取れる。
同法人によれば、寄付者は実名に限らず、匿名の希望者も多いが、「理事長になって22年。匿名の寄付者からの手紙は初めてで、驚いた」(大熊理事長)。同施設が取りまとめている直近の数字では、2018年7月から21年12月までに匿名希望者の寄付件数は10件、寄付金額は計145万3500円に上る。中には1回に100万円もの高額の寄付や、「お年玉」として年代別に金額を細かく振り分ける寄付もあった。
寄付金の一部は既に、同施設に入所する幼児から大学生と、近隣の地域小規模児童養護施設「はみんぐ」に入所する中高生ら計45人のために使われている。
大熊理事長は手紙の差出人に「会ってお礼を申し上げたいところだが…」と、もどかしさを感じつつ、「寄付金はご希望に添うように使わせていただきます」としている。
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