昨年12月に発表された第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で今回、新設された一般のファンからの投票で決定する「ファンが選ぶ最高作品賞」に浦河町出身の映画監督、田中光敏さんの「天外者（てんがらもん）」が選ばれ、最高演技賞には「天外者」で主演を務め、２０２０年７月に30歳で亡くなった三浦春馬さんが選ばれた。

　映画監督、田中光敏さん（63）は浦河町出身で１９５８年生まれ。84年にＣＭ制作会社クリエイターズユニオンを設立し現代表取締役。製作映画の「海難１８９０」が第39回日本アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞など10部門で優秀賞を受賞。「天外者」は７作品目。

　激動の幕末から明治初期、日本の未来のために駆け抜けた五代友厚を演じた三浦春馬さん主演の青春幕末映画。第94回キネマ旬報ベストテン読者選出日本映画第１位・読者選出監督賞のダブル受賞、第13回東京新聞映画賞受賞。

　田中監督は昨年４月に浦河町で「天外者」トークショーを行い「天外者」のキャスティングや制作秘話、リハーサルの裏側、東映京都撮影所と松竹京都撮影所での撮影話などを話し、三浦春馬さんの人柄についても語っていた。

　田中監督は「三浦春馬君、おめでとうございます。君の芝居、思いはたくさんの人々に届いた。素晴らしかった」と祝福のコメントを寄せ、映画公式サイトも「投票１位になったことをお知らせいたします。たくさんの投票をいただき誠にありがとうございました」とコメントを発表した。

天外者トークショーで話す田中監督＝昨年４月＝