昨年12月25日に行われた全国珠算競技大会「そろばんクリスマスカップ２０２１」（日本珠算協会主催）のフラッシュ暗算と読上算競技で、浦河町の日高信用金庫に務める浅野貴広さん（26）＝一篠珠算塾在籍＝が日本一に輝いた。

　同大会は例年は埼玉県で開催されているが、コロナ禍のため全国各地から一斉にオンライン形式で行われ、１０１８人が出場。主催者側がユーチューブで問題を出題。個人種目として総合競技、フラッシュ暗算、読上暗算、英語読上暗算、読上算の５種目があり、参加者全員がエントリーされる。

　浅野さんが日本一になったフラッシュ暗算競技は、画面に次々に表示される３桁の数字15個を１問目１・６秒、２問目１・７秒と問題が下にいくほど難易度が下がる計算競技。15問中３問正答すると順位が決まり、早い段階で３問正答すると順位も上がる。その中で浅野さんは１、２、３問目を正答。しかし、この時は埼玉県の高校１年生、辻窪凛音さんも同正答で２人が並んだが、決定戦は行われなく、２人そろって日本一になった。

　読上算競技は１問目から３問目が７桁～16桁10個を20秒台前半、４問目から25秒台、30秒代へと難易度が下がっていく加減算（足し算と引き算）で、読み上げられた数字をそろばんで計算していく。浅野さんはここでも１、２、３問目を正答し日本一に輝いた。

　フラッシュ暗算は一番得意としている競技。「緊張するとやりやすい。練習の時は緊張感を持つのが難しいため、外を走って無理矢理心拍数を上げて練習した」と話した浅野さんは「フラッシュ暗算と読上算の日本一は狙っていたので、実現できてうれしい。２冠は一つの目標だった。勝ちたい人がいる大会で勝てたのがうれしい」と笑う。

　そろばん歴が丸20年の浅野さんは小学校入学と同時に母親が主宰する浦河町堺町西３の「浅野そろばん教室」でそろばんを始め、中学卒業まで習った。高校は札幌開成高に進学し、現在も在籍する札幌市白石区の一篠珠算塾に入塾。コロナ禍のため、月１回程度しか行けないといい、緊急事態宣言中は自宅で練習に取り組み、大会１カ月前から練習に励んだ。

　全国珠算学校連盟10段と全国珠算教育連盟10段、日本珠算連盟10段を持つ（最高段位10段）。過去には、全日本珠算選手権大会のフラッシュ暗算競技で日本一、２０１７年にはフラッシュ暗算でギネス記録を打ち立てたるなど活躍している。

　そろばんは「人生」と話す浅野さんは「（そろばんをする）きっかけを作ってくれた母親には感謝している。また、高校に入りタイトルが取れるようになったのは一篠珠算塾の一篠裕幸先生が環境づくりをしてくれたおかげ。頭が上がらないです」と話した。

　次の目標は「８月８日の全日本珠算選手権大会でフラッシュ暗算と読上算で優勝すること。ライバルみんなが揃った大会で優勝したい」と意気込んだ。

全国大会でフラッシュ暗算と読上算で２冠を制した浅野さん