新たな旅行形態を訴えた遠藤氏

中台韓ターゲットに

　独立行政法人中小企業基盤整備機構北海道本部による観光事業者向けセミナーが８日、伊達市梅本町の伊達信用金庫コスモスホールで開かれた。観光関係者がコロナ収束後を見据えた“旅”市場を取り込む戦略を学んだ。

　同機構が伊達信用金庫、壮瞥町商工会などと共催で初めて開催した。洞爺湖周辺の観光関連事業者ら６０人が出席。同機構の中小企業アドバイザーで北海道大学観光学高等研究センター客員教授の遠藤正氏が講師となり「個人旅行獲得強化に向けた観光事業の在り方」と題して講演した。

　遠藤氏は「伊達市は日帰り客が多く通年平均している、洞爺湖町は道外客の比率が高い、道内客は日帰りが多い」など胆振西部４市町の傾向を分析。外国人観光客の出発地は中国、台湾、韓国で７８％を占めており、ターゲットを絞った準備を強調。「求めるサービスも買い物から体験型に変化した」と傾向を示した。

　大手旅行代理店のパッケージ型旅行から、受け入れ地域で自ら商品を開発する着地型に変化。滞在を楽しむ、人や自然、文化を提供するコースを提案し、滞在時間や宿泊日数を増やす努力を訴えた。

　会場の出席者は、熱心にメモを取り、それぞれの地域の強みを連携させるプランに耳を傾けていた。