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室蘭民報

開発研究「最高賞」、室工大の上井准教授らのグループ 超異分野学会北海道フォーラム【室蘭】

上井准教授と研究内容を掲載したポスター

「道内素材で世界救う」 アルツハイマー病予防食品

 大学、企業、自治体、中高生が分野を超えて集まる「超異分野学会」の北海道フォーラム(リバネス、チャレンジフィールド北海道主催)が4日、札幌市内で開かれた。室蘭工業大学の上井幸司准教授(50)らのグループが発表した、シソの成分を活用してアルツハイマー病の予防・改善を試みる研究「白糠町産チリメンアオジソの機能性食品開発に向けた機能実証と加工法開発」が最高賞の北海道フォーラム賞を受賞した。

 アルツハイマー病は、タンパク質のアミロイドベータが脳内に蓄積し、凝集することで引き起こされると考えられている。上井准教授、徳楽清孝教授(49)らによる室工大クリエイティブコラボレーションセンター・北海道マテリオームラボは、900種類以上の植物を調査。白糠産チリメンアオジソに、凝集を抑える高い効果があることを明らかにした。

 同大は2015年(平成27年)に白糠町と包括連携協定を締結。ノーステック財団(道科学技術総合振興センター)の助成を受けて、同町と道立総合研究機構食品加工研究センター、国内産業用ガス大手のエア・ウォーター、グループ会社のエア・ウォーター北海道と、シソの成分を活用した機能性食品の開発に向けた共同研究を行っている。

 フォーラムでは、研究内容を90秒で発表する「テクノロジースプラッシュ」と「ポスター掲示」が行われ、全国から32団体が参加した。上井准教授は①白糠産アイヌ伝承有用植物を含む900種類以上のサンプルを評価②徳楽教授が開発した凝集性タンパク質阻害の評価方法③白糠産チリメンアオジソの高い認知機能改善効果を実証-の三つの研究シーズをアピール。

 独自の植物抽出物ライブラリーを作成し、独自の評価方法を確立。白糠産の植物を活用し、産官学が一体となって組織を形成、製品開発に取り組んでいることが高く評価された。

 現在はモデルマウスを用いて効果の実証試験、機能性を維持する加工方法の開発、機能性成分の確認作業を行っている。将来的には臨床試験を実施し、抗アルツハイマーの機能性食品を販売。健康寿命の延伸につなげる。

 上井准教授は「受賞を励みに研究開発を加速させ、私たちが目指す『北海道の素材で世界を救う』を実現したい」と抱負を口にする。今回の受賞により、研究グループは来年3月開催予定の「超異分野学会東京大会2022」に招待される。「三つの研究シーズを幅広く有効に使うことができれば、認知症だけでなく、糖尿病や心臓病の予防にも適用できる。大きな可能性がある研究なので、さらに異分野の人たちと協力することができたら」と展望を話している。

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