北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

苫小牧民報

丸ごと120メートル移動 キャンプセンター曳家工事本格化 モラップの支笏湖野営場

環境省北海道地方環境事務所は6日、千歳市モラップの支笏湖野営場で、「キャンプセンター」の曳家(ひきや)工事を公開した。建物を解体せずにそのままの状態で移動させる伝統的な建築工法。同省による曳家工事は初めてで、元請け会社の菱中建設などによると、キャンプ客が利用しやすいよう年内に南へ約120メートル動かす。来年3月下旬までに改修も終え、新たな管理棟として活用する。

旧キャンプセンターの曳家工事が本格化している支笏湖畔のモラップ野営場

 炊事棟やテントサイトを備える野営場の利用者にキャンプ機材を貸し出す同センターは、1997年にオープン。木造2階建て約215平方メートルで、売店機能も有したが利用が低迷しここ数年は事実上、閉鎖状態だった。

 当初は既存建物の南約120メートル先に管理棟を新設する計画だったが曳家工事に切り替え、改修した上、同建物にトイレを含めた機能を集約させることで廃棄物削減や木材の有効活用が可能で、コストも新築時より4割ほどカットできるという。

 同事務所の担当者は「環境負荷軽減に官民一体で取り組むことで、豊かな自然環境を次世代に引き継くことができる」と語る。

 総工費は約1億7200万円。曳家は専門業者、後藤曳家工業所(札幌)が手掛ける。

 総重量約70トンの建物は、レールに敷かれた複数のパイプ上を移動。建物に固定したワイヤを手動ウインチで引くと、ハンドル1回転ごとに3センチほど動く。1日8メートルを目標に3週間かけて目指す位置まで動かした後、内部改修に入る。10月6日に着工し、これまでに今月6日までに85メートル移動させたという。

 菱中建設の岡嶋昭宏工事長は、1906年の札幌市時計台や2015年の弘前城天守閣などの例を示し「貴重な文化財を移設する際の歴史ある工法」と説明。同工業所の後藤正賢工事部長は約70トンの木造建築物を100メートル以上動かす工事は「年に1度あるかないかの大事業」と話した。

 工事は、野営場施設全体の老朽化を受けた改修事業の一環。利便性向上へ動線の整理や旧管理棟のごみ庫への改修、電気自動車の駐車場整備なども行う。

 支笏湖モラップ野営場は21年度、新型コロナウイルスの影響で稼働日数が前年度比25日減の121日にとどまり、日帰り・宿泊の利用者数は同36・8%減の1万7248人だった。

関連記事

十勝毎日新聞

我が子6人卒園した保育所にパパが恩返し 社員とグラウンド整地【帯広】

 帯広市内の豊成保育所(竹田万希子所長、園児103人)グラウンドを、市内の土木会社「西川工事」の社員5人が、ボランティアで重機を使い整地した。同社代表の西川浩二さん(43)が、今春までに子ども6人...

十勝毎日新聞

伸び伸び草地へ 八千代牧場入牧始まる【帯広】

 帯広市の八千代公共育成牧場で20日午前、市内酪農家から受け入れた乳牛の一斉入牧が始まった。この日運び込まれた143頭は、10月下旬まで496ヘクタールの広大な放牧地で過ごす。  市が運営する...

十勝毎日新聞

3年目はハーモニープラザ 渋沢栄一ゆかり 東京の学生提案の店舗改装【東京..

 清水町と連携し、建築関連の専門学校「中央工学校」(東京都北区)の学生が町内商店の改装を提案するプロジェクトは今年度、3年目を迎えた。今年度は公共施設のハーモニープラザが対象で、1階のホワイエを多...

室蘭民報

心も躍る、白鳥台桜まつり 室蘭22.1度、登別23.4度【室蘭】

 西胆振は19日、南からの暖かい空気の影響で7月上旬~下旬並みの陽気となった。室蘭市白鳥台の白鳥台北公園で開かれた第22回白鳥台桜まつりでは、ダンスパフォーマンスやジャズ演奏を楽しみながら、サク...

室蘭民報

初夏の洞爺湖快走 5000人超、ゴール目指す【洞爺湖・壮瞥】

 第50回記念ANA洞爺湖マラソン2024(室蘭地方陸上競技協会、洞爺湖町、壮瞥町など主催)が19日、洞爺湖周辺で行われた。フルマラソン、10キロ、5キロの3種目に昨年より939人多い計5397...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス