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苫小牧民報

ヨコハマタイヤリトレッドが環境大臣表彰 今年度は道内唯一、業界初受賞

自動車の走行で摩耗したタイヤのゴムを貼り替えて再使用するリトレッド(更生)タイヤの製造を手掛ける、苫小牧市植苗のヨコハマタイヤリトレッド北海道事業所(松村智之所長)は、循環型社会形成推進功労者として環境大臣表彰を受けた。タイヤの再使用をはじめ、ゴム資源の有効活用やウトナイ湖周辺の自然保護活動など、一連の取り組みが高く評価された。タイヤメーカーの同賞受賞は初。

環境大臣表彰の受賞に沸くヨコハマタイヤリトレッド北海道事業所の従業員たち

 表彰は循環型社会の実現を目的に、環境省が2006年度から毎年実施している。廃棄物の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)の3R推進に取り組む個人、団体、企業を対象としており、今年度は2団体、5社が受賞。道内では同事業所が唯一、選ばれた。

 リトレッドタイヤは「更生タイヤ」とも呼ばれ、路面と接する外側のゴム層を削り取り、新しいゴムを巻き付けた製品。製造時に使用する天然ゴムなどの資源は、新品タイヤと比較して約3割にとどまる。

 一方、製造や廃棄時の二酸化炭素の排出量は新品タイヤ比で6割削減できる。価格は新品に比べて3割程度安く、低コストでありながら3Rを網羅している。

 同事業所は1973年に製造を開始。主にバスやトラックなどのタイヤを手掛けており、北海道で使われていたタイヤからリトレッドタイヤを造り、道内で販売する「地産地消」に注力してきた。

 製造途中に発生するゴム資源もタイヤ以外の商品にリサイクルするなど、廃棄物をできる限り削減。従業員が同営業所近くのウトナイ湖周辺のごみ拾いや外来植物の抜き取り作業をしたり、日本野鳥の会苫小牧支部に協力したりするなど、環境保護活動にも力を入れてきた。

 これまでに環境に配慮した取り組みを進める企業を道が登録・認定する北海道グリーンビズ制度で「創意あふれる取組部門」と「優良な取組部門三ツ星」の認定を受け、今年3月には、北海道ゼロ・エミ大賞も受賞。いずれもタイヤ業界としては初めてだ。

 表彰式は10月下旬、和歌山県で開かれる第15回3R推進全国大会で行われる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でオンライン表彰式に変更。表彰状は11月下旬、同営業所に届いた。

 松村所長は「このような大きな賞をもらえ、従業員一同、感激している。これからも環境に優しく高性能な製品を造っていきたい」と述べた。

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