函館上期観光客200万人 感染落ち着き前年比16万人増【函館】
函館市は1日、2021年度上期(4~9月)の観光客数(推計値)が前年同期比8・7%増の約200万人だったと発表した。新型コロナウイルスの影響が色濃かった昨年度に比べ微増だったものの、平成以降でワースト2を記録、依然厳しい状況が浮き彫りに。外国人宿泊客数も同56・7%減の700人と13年度の統計開始以来過去最低となった。
■平成以降でワースト2の低水準
21年度上期は、前年度上期の184万1000人より15万9000人増え、2年ぶりに前年を上回った。しかし、客数は「昭和50年代の水準」(市観光部)にとどまった。
月別にみると、4月は前年同月比36・6%増、5月も同47・5%増と好調に推移した。春の大型連休付近は感染状況が落ち着いていたほか、はこだて割などの観光需要喚起策も少なからず影響したとみられる。5月中旬からは、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが道内にも出されたため、6、7月は微増したものの、8月は2・2%減、9月は18・3%減と減少に転じた。
■道内6割、道外4割
コロナ禍で旅行スタイルにも変化が生じている。函館を訪れる旅行客はこれまで道外客6割、道内客4割だったが、昨年度からは逆転。今年度は、道外39・2%(前年度は47・7%)、道内60・8%(同52・3%)と、道内客の割合が高くなった。
宿泊客に比べ日帰り客も6割を超えており、市観光企画課は「少人数で安心な近場の旅行需要が高まっている」と分析する。交通機関別でも乗用車等が4分の3を占め、コロナ前の19年度より20ポイント以上増えている。
外国人宿泊客は、直行便運休や入国制限などを背景に昨年度より大幅減少。例年多かった台湾は16人(前年度比61人減)だった。
■下期は修学旅行で復調
下期の10~11月は、延期されていた修学旅行の実施や団体客の受け入れなどで徐々に観光需要が伸びているという。市は、来年1月始まる予定の独自の観光需要喚起策「はこだて割」のPRに向けて、WEBやSNS、各種広告媒体を活用する。同課の小林祐樹課長は「冬季イベントも始まる。コロナの状況を踏まえながら観光の盛り上げにつなげたい」とする。
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